2009年1月24日土曜日

徹夜,いろいろ

 今日は土曜日でしたが,卒論&修論の作成のために全員来ると思っていたら,卒研生は一人しか来ませんでした.どうしたんでしょう?でも,みんな家で書いていますよね,きっと.私は居ませんが,明日は来るかも知れませんし.おそらく,月曜日は朝から,チェック依頼のジェットストリームアタックを仕掛けてくると期待しております.
 この頃になると,夜遅くまで作業する学生が増えてきますが,どうも徹夜の意味を勘違いしている人が多いような気がします.私は,徹夜には良いものと悪いものがあると思います.
 まず,良い徹夜ですが,これは作業を続けた方が望ましい結果が得られそうなときに,寝るのを忘れる勢いで作業を継続し,結局朝までやってしまった,というような場合です.このような徹夜は,締切りなどとは関係ないもので,私も学生のときによくやりました.でも,朝までやってダメだということが分かっただけだった,ということもあって,よい記憶ばかりではありません.
 そして,悪い徹夜ですが,これは寝たりしたら締切りに間に合わないので,寝ないでやらなければならなくなった,というような場合です.でも,このような徹夜が一般的ですね.私も時々こういう徹夜をやることがあります.でも,寝ないでやった仕事の出来がよいというわけではありません.むしろ,逆の場合が多いのではないでしょうか.このような徹夜は,決して偉いと言うわけではありませんね.
 実はもう一つ,「無意味な徹夜」というのがあると思います.これは徹夜ではなく,単なる「夜更かし」と言ったほうがいいかもしれません.朝まで作業したけど,家に帰って夕方まで寝ていましたとうのが典型例でしょう.いつも夜遅くまで作業しているけれども,いつも昼頃に出てくる,という「自己中心型夜更かし」が悪化したものとも言えますか.このような行為は,作業時間が増えているわけではないですし,当然仕事も進んでいません.特に,締切りを前にしてこのような夜更かしは自殺行為ですね.そのうち,本当の徹夜をすることになるでしょう.
 「夜遅くまで作業した!偉い,俺!」...自己満足ですね.本当に無意味.

2009年1月23日金曜日

栄光なき天才たち

 今日は,型技術協会主催の見学会で入間市の入曽精密にいってきました.この会社は,主にF1マシンや人工衛星の部品などの金属精密部品作製を手がけている会社ですが,「マシニングセンター」と「IT」と「職人の技」を高度に融合した「MC造形システム」が有名で,2005年度 日経ものづくり大賞を受賞するなど,その技術は業界で高く評価されています.また,一般消費者向けに,“アルミの薔薇”や“世界最速のサイコロ”,“世界最小のサイコロ”などのユニークな製品を提供していることでも話題になっています.最近では,新薬師寺の収蔵物であるバザラ大将を,3次元レーザー計測により作成した3次元データを元に「メタルのバザラ大将」を製作し,これも大変注目されています.「イメージを形に」という姿勢が,私の取り組んでいる工作機械操作インターフェイスのテーマと近いので,今後も色々と協力できればと考えています.
 ところで,入間市駅に着いてから見学会まで時間があったので,駅前の BOOK OFF に何気なく立ち寄って店内をぶらぶらしていたところ,長い間,捜し求めていた漫画に遭遇しました!「栄光なき天才たち」全17巻 です.この漫画は,すばらしい才能を持ち,本当はもっと高い評価を得られるべきだった不幸な偉人達の伝記集といったところでしょうか.私は16巻までは持っているのですが,最後の17巻「佐藤次郎」だけ買いそこねていました.それから15年ほど探し続けてきたでしょうか.最近では,ほとんどあきらめていたのですが,今日,全巻と出会い.反射的に全巻,大人買いしてしまいました.といっても,各巻100円だったので,2000円でおつりがくる買い物でしたが.それにしても,こんな貴重な漫画をまとめて手放す人がいるとは...ありがとうございました! 17巻だけは家に持って帰りますが,16巻までは研究室においておくことにしました.漫画といっても,この漫画は特別です.絶対に全巻を読破するべきです.特に,最大の長編である11, 12巻の「浮谷東次郎」がお勧めです.

2009年1月22日木曜日

読書のススメ

 今日あたりから修論のチェックが始まりました.今のところ,一人一度にA4で30ページぐらいなので,量はあまりたいしたことはないのですが,精神的に疲れます.工学の論文なので,理路整然と書くだけでいいと思うのですが,言葉が足らなくて理解できなかったり,逆に余計なことが書いてあって混乱したりで,テンポよく読むことができません.買った本だったら,それ以降読まなければ済むことですが,きちんと書かせる責任があるので,チェックを投げ出すわけにはいきません.
 いい文章を書くためには,本をたくさん読むことです.できれば,色々なジャンルのものを.私は文章を書くことは好きな方です(原稿の依頼が増えると嫌いになりますが)本も結構読んでいると思います.週に雑誌と新書を一冊ずつ程度でしょうか.忙しくなって本を読まなくなると,文章力も目に見えて落ちてきます.これは,自分でも本当によくわかります.
 たまに,海外からの留学生の方が,まともな日本を書くという教員の方がいますが,これはその学生が日本語を勉強するために,日本の学生よりも日本語を読んでいるからではないかと思います.
 いつも今頃になって思うのですが,学生には,もっと本を読むように言っておくべきでした.4月ぐらいに一度言ったような気がするのですが,毎月,毎週,毎日言うべきでした.反省してます.
 毎年,この時期に水性の赤ボールペンを2本消費します.今年もいいペースで消費しています.数年前にある学生の原稿を真っ赤にして返してやったら「シャア専用ですね!」とか言われました.その学生は,疲れている私を和ませようとしたのでしょうが,そのときはさすがに笑えず,卒研の打ち上げの時にやっと盛り上がることができました.早く打ち上げしたいです.

2009年1月21日水曜日

卒研配属のための研究室公開

 今日の夕方,来年度卒業研究のために研究室に配属される3年生のための研究室公開を行いました.たくさんの研究室があるので,今日と明日の5限,6限に分けて行われます.私の研究室は一番最初の枠で公開しました.最初に私自身で研究室の方針や各研究テーマの概要を説明し,研究内容の詳細な説明については,各テーマを担当している卒研生に任せました.
 やはり,一番興味のある研究室は,一番初めに見学に来ると思います.私の研究室も,最初に来たのは,私の講義や学生実験などでも反応がよく,「この学生は興味を持ちそうだな」と思っていた学生達でした(本人は,そんなつもりはないかもしれませんが).
 最終的に,約一時間で20人程度が見学に来たでしょうか.150人ぐらいの学生が対象になっているので,ちょっと寂しい気もしますが,一番大事なのは研究室のテーマに興味を持ち,自分から進んで取り組んでくれる学生が来ることなので,見学者が多ければいいというわけではありませんね.
 既に推薦枠で昼間コースの学生一人を決めているので,残りは昼間コース2名,夜間コース1名,過年度生など1名の4名と予想されます.希望者が多いとなると,かなり狭き門です.うまく配属されることを願うばかりです.

2009年1月20日火曜日

締切りについて

 そろそろ卒論や修論について研究室で決めた締切りの日が続いてやってきます.明日はその第一弾,修士論文本体の研究室提出期限です.どうも,厳しそうですね.
 私は守れなかった締切り一つ一つに始末書を書かせます.これは卒論や修論に限ったことではありません.締切りについては,厳しくしている方だと思います.
 私は約束を守らない人は嫌いです.締切りも約束の一つです.締切りは,その仕事を引き継ぐ人との契約です.守らないと,続いて仕事する人に迷惑をかけます.今回の卒論や修論の場合,それらをチェックする私の予定が狂います.私は,明日,明後日は,論文をチェックするためにスケジュールを空けています.覚悟も決めています.他の仕事をする気はありません.
 がんばった結果だから仕方ないじゃないか!と,いう学生がこれまでに何人かいましたが,本当にがんばったのなら,どんなこともできているはずです.結局,サボっていたとしか考えられません.例外は,ありません.やる時間は,あったのです.学位を取るのが目的で大学,大学院にいるのです.目的の達成を目指して,がんばって下さい.

2009年1月19日月曜日

学科特別学術講演会

 今日の生産システム工学の講義の時間に,学科特別講演会を開催しました.講師は名古屋の工作機械メーカーO社のSDさんです.SDさんとは学会の研究委員会などでお付き合いさせていただいていて,昨年も同じように私の講義の時間に講演をお願いしましたが,そのとき聴講していた学生の反応がよかったので今年もお願いすることにしました.
 工作機械については,私の講義でも3回分ぐらい解説していますが,やはり専門に仕事している方の話は説得力があります.写真や動画も豊富でわかりやすい上に,軸受けなどの工作機械の部品や加工サンプルを回覧するなど,よく工夫されていました.「死の谷」と「ダーウィンの海」の話や,ジャングルの奥地で遭遇した巨大な岩をどかす話などのコラム的な話題もおもしろく,私自身もとても楽しく聞かせていただきました.自分の講義にも反映させたいと思います.
 話は変わりますが,そろそろ自宅で深夜まで仕事しなければならなくなりそうです.このブログもじっくり書くことができないかも知れませんが,毎日書くことだけはなんとか続けたいと思っています.

2009年1月18日日曜日

博士の進路について

 今日,朝日新聞に博士課程を修了した人の受け皿が十分でなく,厳しい状況にある研究者が多いと言う特集記事が掲載されていました.日本の博士の学位取得者は,海外の先進国と比較して決して多いというわけではないのですが,それでも学位取得後の職場がないという話はよく聞きます.でも,これは分野によって違う話だと思います.
 たとえば,私が専門としている生産システムや工作機械の分野は,私の年代に比べれば若い研究者が多くなってきましたが,それでも十分な数とは言えません.大学や研究所のポストもたくさん公募されていますし,知り合いの先生から学位を持っているいい人がいないかと,毎年問い合わせがあります.でも,紹介できる人がいないのです.
 博士の人は,知識が専門的なものに偏っていて,コミュニケーション能力が不足していると思われているようです.耳の痛い話です.こういう話を聞くと,スペシャリストではなく,バランスの良い研究者が求められているように思いますが,一つのテーマに徹底的に取り組ななくては学位は取れないと思います.
 私見を述べさせていただくと,社会に貢献することが明らかで企業からも評価される研究テーマに取り組むこと,学生のうちから企業の人と議論する機会が豊富にあり,コミュニケーション能力を磨けることが大事ではないかと思っています.この考え方には大反対という大学の先生が多いこともよく承知しています.歴代の著名な学者は,役に立つとか立たないとか,そんなことを考えて研究していた人ばかりではありません.
 でも,これは私の分野では普通のことで,逆にそのようにできない人は評価されません.こんな学問があってもよいのではないかと思っています.少なくとも,学位を取った人の受け皿がないなんてことはありません.ですから,不本意ながらポスドクになってしまったなんて人を聞いたことがありません.学生のころから大学,研究所,企業など色々な人と知り合いになって,自然と進路が決まっていくようです.人数が少ないから大事にされているだけかも知れませんが,私の分野では将来を心配して博士課程進学をあきらめる必要はありません.学生の皆さんは,選択肢の一つとして考えてみて欲しいと思います.