
博士学位論文の審査に係わったのは,教員となってから初めてでした.13年前の自分自身の予備審査のときのことを思い出しました.当時は,修士課程から5年間も取り組んできた研究なのに,やればやるほど次から次へとやるべきことが出てきて,こんなまとまりのない内容で学位なんか取れるのかと,学位論文の作成中は悶々と過ごしていました.そんなとき,お世話になっていた研究所の人から「工学の学位はパスポートみたいなものなんだから,もらってからしっかりがんばればいいんだよ」と言われました.当時はいぶかしげに感じましたが,今では本当にそのとおりだと思っています.
長い年月をかけ,苦労して学位を取られた方もおられるので,あくまで一つの考え方だと思っていただければ幸いです.何よりも,学位取得後も研究活動を続けることが一番大切だと思います.このパスポートは,大学や高専や研究所の人間になるつもりがなければ,国際的な研究活動をしないとあまり効力がありませんので.
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