ラグビー日本代表、南アフリカに勝つ」という文庫本を,週末で読了しました.「あれ? ラグビー日本代表は,去年のワールドカップで南アフリカには負けのでは?」と思うかもしれませんが,これはその前のワールドカップ2015のお話です.それまでのワールドカップで1勝しかしていなかった日本は,このワールドカップの初戦で強豪南アフリカに劇的な逆転勝利を納めるなど3勝をあげました.ポイント差で決勝トーナメントに進むことはできませんでしたが,ラグビーファンの私にとって感動的な出来事でした.その時の日本代表が,どのようなプロセスを経て,大きな成果を残すことができたのか.著者のスポーツライター 生島淳さんは,愛読している「スポーツ・グラッフィック ナンバー」にもよく寄稿されていて,その文章はかなり自分好みです.なので,この文庫本を読むことを楽しみにしていました.などと言っているわりには,買ってから半年以上も経ってしまいましたが...
読み終えて一番に感じたことは,奇跡と言われた勝利は必然的なことだったということです.この勝利のために,選手とコーチ,その他のスタッフの全員が,プライベートな多くのことを犠牲にして,最大限の努力をしていたということがよく分かりました.ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏は,とても感情的かつ複雑な人みたいで,選手たちと度々衝突していたようですが,ワールドカップでの勝利というチーム全員の目標がぶれていなかったからこそ,最後まで関係が維持できたのではないでしょうか.本当に目標を達成したいのであれば,相手の態度や言葉遣いが気に入らないからやる気がなくなった,なんてことはあり得ませんからね.
でも,同じようなやり方を普通の組織で実践するのは難しいと思いました.日本代表として呼ばれたメンバーは,流石に人としてのレベルが高いと思いました.このやり方は,メンバーを厳選することによって,初めて実践できるものだと思います.日本代表という組織は,すべての関係者にとっての憧れで,尊敬の対象となるべきものだということがよく分かりました.ラグビーの日本代表がそのような組織になって,本当によかったと思います.次のワールドカップでの日本代表の活躍が楽しみです.
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