2016年6月26日日曜日

「起終点駅 ターミナル」を観る

 先月,ドイツに出張した時 ⇒「m-shige's log: Stuttgartへ」,行きのチューリッヒまでの飛行機で最新の洋画を楽しもうとしたのですが,面白そうなタイトルがなくて,仕方なく 「起終点駅 ターミナル」 という邦画を観ました.これがまた,とても味わいのある映画で,こういう情感は邦画でなければ表現できないと思い,邦画の立ち位置というか必要性を実感した次第.

 直木賞作家・桜木紫乃の原作も読んでみたくなり,帰国したその日に書店を巡って文庫本を入手しました.北海道各地を舞台に,現代人の孤独とその先にある光を描いた短編集で,表題作の 「起終点駅(ターミナル)」 は60ページで,1時間ぐらいで読み終わってしまいました.とっても地味な内容というのが正直な感想でした.この原作を読んだ人が映画を観に行こうとするかどうか疑問に思いました.映画から入った私は,運が良かったのだと思います.

 そして昨晩,妻が友人と旅行に行って独りだったので,レンタルビデオ店に行って先月リリースされたDVDを借りて復習することにしました.やはり,良い映画でした.暗くて小さな液晶モニタでは分からなかった細やかな描写も確認することができました.これは,監督と脚本の仕事が素晴らしいのだと思います.

 戦う牡羊座と支えるてんびん座の巡り合わせ.てんびん座って,何でも簡単に捨てられるんだ.闘え,鷲田完治.逃げるな.今でもちゃんと戦っているのかな,鷲田完治.という前編もよかった.

 そして,後半.料理できる男性,素晴らしいと思った.私も頑張りたいです.私も,義母から譲り受けた切り抜きレシピを大事にしています.作っていると,何も考えずに済みますから.そして,ザンギが食べたくなって困りました(笑)

 生きてさえいればいい.生きていてくれさえすれば.量刑は,更生を見据えて与えられるものだ.そのためにもらった時間だと思え.もう,お互い,生きているだけでいい,そう思いました.私,なにも要らなくなっちゃったんです.

 結局,一晩で3回も観てしまいました.そして,また観たいと思っている自分に驚いています.今日,DVDを返却する時,ちょっと切なかった.まあ,気に入ったら徹底的という病気が発症している状態だと思うので,しばらく時間を置いて熱を冷ましてみて,それでも観たいと思っていたら,今度は夫婦で鑑賞して妻の感想を聞いてみたいと思います.邦画を再評価する良い機会となりました.

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