2019年1月7日月曜日

「下町ロケット ヤタガラス」を読む

 昨日,池井戸潤氏の大人気シリーズ第四弾 「下町ロケット ヤタガラス」 の単行本を読了しました.1月2日に放映された「新春ドラマ特別編」でヤタガラス編が完結したということで,ドラマの復習を兼ねて満を持して読んでみたというわけです.

 場面の順番やセリフを語る人物などの違いはありましたが,原作の内容はほぼ網羅していたと思います.原作にはなかったのですが,ドラマで佃製作所に勤務することになった島津裕が佃の娘の利菜に語ったことばが一番印象に残りました.

 技術者はひたすら物を相手にしているように見えて、実は違うの。
 人の心を相手にする仕事なの。

このことばは,私の工学研究におけるポリシーと同じです.ユーザーの視線を考えながら研究しているつもりです.こんなこと言っているから研究者っぽくないと言われるのかもしれません.だからと言って,エンジニアみたいでもありませんが... 中途半端でスミマセン...

 結果として,ドラマから先に見てよかったと思っています.ドラマで見たトラクターやコンバインが走る様子を想像しながら原作を読むことができました.原作をより深く味わえたと思います.

 農業機械も工作機械と同じだと思いました.CNC工作機械による完全無人加工は既に実用化されており,無人・夜間生産が実現されていますが,トラクターやコンバインなどの無人・夜間運転も近い将来に実現されそうです.日本の農業の未来を救って欲しいと思います.

「ゴースト編」「ヤタガラス編」を通して,日本の農業の現状について学ぶことができました.農業従事者の高齢化が進むなど危機的な状況であることに変わりはないようですが,想像していたよりも農業機械のIoT化が進んでいることも知ることができ,穏やかな気持ちになりました.これからも日本の農業に注目していきたいと思います.

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