2013年7月12日金曜日

素直な人間は,伸びる

 これまで教育者として,色々な学生と接する機会がありました.私が一人で研究室を運営するようになってから,今年で11年目です.10年間で卒業研究を指導した学生は60名弱.正直なところ,「まだ,60人か!」 という印象です.教育者としては,まだまだひよっこですわ.

 教員になったばかりの頃は,力加減を知らず,本音のみで語りかけていたため,合う学生と合わない学生がはっきり分かれていたような気がします.当時は,教員は3人も居たので,学生も私も,逃げ道はたくさんありましたから.

 しかし,一人で研究室を運営するようになると,私と学生は1対1,お互いに逃げ道はなくなりました.私と相性の合わない学生も,私の言うことを聞かなければならず,お互いにストレスが溜まっていたと思います.

 色々な学生と,色々なことがありました.よくやってくれた学生,あまりできなかった学生,喜びと悲しみ,そして涙… どんな学生との出来事も,私にとっては教育者として大事な経験ばかり,良い思い出です.

 そんな中でも,抜群の成果を出して卒業・修了し,今でも付き合いが続いている卒業生が何人かいます.しかし,彼らに対して,私が優しかったかというと,まったくその逆で,次々に思いつくままに無責任な指示を出す私のやり方に,かなり苦労させられていたと思います(笑) そんな彼らに共通していた特徴は,何と言っても 「素直さ」 でした.

 何かを学ぶために学校に来ているのだと思います.吸収するべきものは,無限にあるハズです.それなのに,好きとか嫌いとか,合うとか合わないとか,とにかく自分が正しいのだとか,客観性を欠いたフィルターをかけて,学ぶ内容を選別するような態度は,自分の伸びしろを削って,成長する可能性を放棄しているようなものだと思います.

 特に,研究室に配属されて,専門的な研究を始めるまでは,色々な可能性を模索するという意味でも,教えられたことを素直に受け入れる気持ちを持って欲しいと思います.しかし,本音を言えば,人間は死ぬまで勉強する使命があると思うので,どんなことでも吸収しようという素直な気持ちは,死ぬまで持ち続けるべきだと思っています.

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