今日は,ファナックの新商品発表展示会に参加するために山梨県の忍野村に行って来ました.毎年,案内の封書を送っていただいているのですが,なかなか都合があわなくて,参加することができませんでした.おそらく,5年以上のご無沙汰で,来るのは2回目ではないでしょうか.
前回の記憶としては,かなりこじんまりとしていたような印象が残っていて,1社だけの展示会なのだから,こんなものだろうと思ったものですが,今回の展示会は広大な1フロアの壁に沿ってたくさんのデモ展示が整然と並んでいました.
まず最初に,「ロボマシン」 のブースを見学しました.このブースの主力製品は,何と言っても小型マシニングセンタの 「ロボドリル」 です.費用対効果が非常に高いCNC工作機械で,中国をはじめとした東南アジア諸国でもたくさん導入されています.正しく現在のファナックの業績を牽引している製品といえるでしょう.
安価でありながら必要十分な性能が特徴だったこの機械も,自社の最新CNCの機能を適用するなど高精度化が図られているようです.熱変位に対する補正も行うなど,他社のマシニングセンタと比較しても遜色がないと感じました.おまけに,ロボットインタフェースやサーボドアなどのオプションによって,自社のロボットとの連携も強化されており,自動化の要求にも対応しています.ロボドリル,今後ますます売れるような気がします.
続いて,「ロボット」 のブースを見学しました.私が担当している 「生産システム工学」 の 「産業用ロボット」 に関する講義では,6軸力センサを利用した力制御の適用事例として,「精密嵌合(かんごう)」 の自動化を紹介してきましたが,今回の展示会では 「バリ取り作業」 や 「研磨作業」 などへの応用も紹介されていました.昔から多くの研究者によって検討されてきた事例が,とうとう実用レベルに到達したということです.加工に関係するわかりやすい事例なので,講義の内容に追加したいと思います.
ロボットシステムの知能化教示ツール 「ROBOGUIDE」 の新機能のひとつである 「退避経路生成」 は,おそらく Configuration空間やポテンシャル法を使った 「Robot Motion Planning」 だと思います.
人が接触しながらロボットを操作する 「協調ロボット」 のプロトタイプが紹介されていました.まだ目的などがはっきりしていませんが,良い活用事例が必ずあると思います.今後も注目すべき新たな提案です.
ここで,大学の研究室で同期入室だったSMR氏と遭遇し,最後の 「FA」 のブースを案内してもらいました.「FA」 と言っても,展示のほとんどがCNCに関する内容です.今回注目の技術は,ハイゲイン化によって高応答を実現した 「サーボHRV+制御」 と,なめらかにバックラッシを補正する 「スマートバックラッシ補正」 です.既に現行のCNCに実装されており,ユーザである各工作機械メーカも注目しているとのこと.ファナックらしいアプローチで,CNCも進歩しています.
ファナックの研究開発力は,やっぱりすごいです.研究者の立場でも興味深い技術が数多く紹介されていて,予定していた見学時間をあっという間に消化してしまいました.特にロボット事業部の内容は,これからも要チェックです.とてもよい刺激になりました.毎年は難しいかもしれませんが,これからも参加したいと思います.
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