2017年3月9日木曜日

教えるということ

という 「ちくま文芸文庫」 を読みました.50年に及んで一教師として教育実践の場に立ち,退職後も新しいテーマを研究・発表しつづけたという著者の4つの講演を収録したものです.高等学校の国語と大学の工学では違いがあると思いますが,教える立場にある人間として感銘を受けることがたくさんありました.

「研究」 をしない教師は,「先生」 ではない.前進しようとする気持ちがないから.一歩でも前進したくてたまらないという子どもたちと同じ世界にいない教師は,「先生」 として失格.

 教師は批評家ではない.指導者である.作品を優劣にわけて 「だれが上手で,誰が下手」 というようなことは,指導者としてすべきではない.教室は検査場などではなく,学習室である.

「一生懸命やったからといって、どうしてうまくいかないことの言いわけになるのでしょうか。」 特に教師がよく言うとのこと.教育の責任は重大ですが,その責任の所在が曖昧なのかもしれません.

「この学生が自分と同じ年になっても,私の相手をしてくれるだろうか?」 と思うような優秀な学生に出会うことがあります.こういう学生を相手にする時は緊張します.全力で相手を伸ばしてあげないといけませんから.できれば研究の同志として,末永くお付き合いしたいものですが,それには私自身も前進し続ける必要があるでしょうね.

「たんげん - がくしゅう 【単元学習】 教材を学ぶ側の意識にあわせてひとまとまりの経験となるよう学習をすすめる教育方法。」 出典:iPadの大辞泉

「単元学習」,辞書の説明からは何も感じないかも知れませんが,この本の内容からは実習形式の授業における効果が伝わってきました.自分が担当している3D-CADの実習にも通じる考え方だと思いました.具体的にどうするというアイデアがあるわけではありませんが,心に留めておきたいと思います.

 感じたことを五月雨式に書いてみましたが,すべてを挙げることは諦めました.次回はノートを取りながら読むことになりそうです.

0 件のコメント: