今日は朝から東京ビッグサイトに行って,1日中,JIMTOF2012を見学しました.実はある出版社から,JIMTOF2012 における「CAD/CAM/CAE,制御技術」に関する動向と,気が付いたトピックなどについて解説する原稿を依頼されています.今日は,この記事のための取材に専念させていただきました.
記事の構成として,「新技術・新機能」,「5軸・複合加工機能」,「異業種への展開」を考えています.まず,これまでになかった「新技術・新機能」ですが,予想していたとおり,どのCAD/CAMベンダーも,プログラムのマルチスレッド化やGPUの活用など,処理の高速化や大容量のデータへの対応などについてはアピールしていましたが,目立った新機能は無いように感じました.強いてあげれば,2, 3のベンダーのCAMソフトウェアが,工具にかかる負荷を考慮して径方向の切り込み量や送り速度を最適化し,加工時間や工具寿命を向上させる機能を紹介していたことぐらいでしょうか.
次に,「5軸・複合加工機能」ですが,5軸加工の機能については,やはり目新しいものは見当たりませんでした.ただ,どのベンダーも,5軸による荒加工の問題については認識しているようでした.一方,複合加工の機能については,マルチタレット,マルチスピンドルの複合加工機に対し,各タレット・スピンドルの動きを最適化してサイクルタイムを短縮するために,画面上でシミュレートしながら各工程を移動,コピー,編集したり,同期を設定したりする機能が紹介されていました.
最後に,「異業種への展開」に対する取り組みですが,2, 3のベンダーが「Dental(デンタル)」用のシステムを出展していました.どのシステムも,専用の3次元スキャナ,専用のCAD/CAMソフトウェアがインストールされたPC,切削加工機で構成されています.切削加工機は,NCプログラムで動けばなんでもよいのですが,全てRoland製の専用機でした.すべてのプロセスがシームレスに連動しており,CAD/CAMに精通していない歯科技工士の人でも,複雑な形状の義歯を簡単に加工することができます.大変完成度の高いシステムで,これからの大きな可能性を感じました.
明日も東京ビッグサイトに行きますが,午前も午後も別の用事があり,会場を見学できる時間は2時間ぐらいしかなさそうです.内容に漏れの無いように,しっかり取材したいと思います.
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