12月から,M科とJ科,10名×2グループに対する,「PBL(プロジェクトベーストラーニング)」 の担当者を務めさせていただきました.「学生が自律的・自発的にプロジェクトに参加し、サブグループでの議論を通じて問題を解決するプロセスを学ぶと同時に、コミュニケーションを取りながら協働することの重要性を学ぶ」 というPBLの目的に沿いつつ,私の研究室らしい特徴のある課題を考えてみたところ,「複数の部品で構成される作品を,Freeの3次元CADを使い,分担して設計する」 という課題を課すことにしました.設計した作品は,私が管理している学科所有の3Dプリンタで成形してあげることにしました.
12月に実習したM科のグループは,東地区にある建物を,1人1棟作るというテーマで取り組んでくれたのですが,提出してもらったSTLデータの全てに不具合があって,成形することができませんでした.建物ということで,「Google SketchUp」 を使う学生が多かったのですが,きちんとしたソリッドモデルにするには,少し不向きだったのかもしれません.これは,私自身も経験不足だったようで,心苦しく思っています.
1月に実習したJ科のグループは,チェア,チェスト,本棚が付属した 「デスクセット」 を作ることにしました.デスク本体と大小の引き出し1つずつの3パーツ,チェスト本体と大中小の引き出し1つずつの4パーツ,チェアと本棚が単独で1パーツずつ,合計9パーツの作品となりました.機械系の学生ではないので,使いやすいということを重視して,利用する Free CAD を 「Autodesk 123D Design」 に統一したことが吉と出ました.心配していたSTLデータの不備もなく,今週の月曜日には3Dプリンタによる成形に成功.交差が甘くて,当初は引き出しがスムーズに収納できませんでしたが,研究室に君臨するモデラートリオがサンドペーパーで調整してくれた結果,素晴らしい作品に仕上がりました.グループの学生に連絡して,今日の昼休みに作品を引き渡すことにしたというわけです.
学生達との成形の約束を果たすことができて,ホッとしました.学生達にとっても,良い経験になったと思います.それに,今回の実習のやり方は,小規模な講義や,一般の人向けのイベントにも使えそうだという手応えも感じました.色々と検討していきたいと思います.
そして今回の作品ですが,自分が作ったパーツだけ持っていてもつまらないし,一人が全部もらうのも気が引けるということで,研究室に寄贈してもらえることになりました.思い出のアイテムとして,居室の書棚に飾っておきたいと思います.結局のところ,今回のPBLで一番得をしたのは,教員の私だったのかもしれません.
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