2017年1月25日水曜日

結果は石

 愛読している少女漫画 「ちはやふる」,テーマはかるたでありながら,もはやスポ根的なストーリーと,丁寧な画,個性あふれるキャラクター,そして自分としては何と言っても人生観を語る名台詞,既に生涯の記憶に残るであろう漫画の一つとなりました.その中でも,特に感銘を受けたエピソードが第20巻にあります.

 千早ちゃんとまつげくん
 結果を出すのはどっちだ

 吉野会大会A級決勝,同会ながら勝ち上がってきた千早と太一は,ついに公式戦で,しかも頂上決戦で初対戦.お互いに初のタイトルをかけて戦う二人の弟子の試合を見ながら,師匠の原田先生が 「結果」 について考える.

 結果…
 世の中には
 結果より努力が大事って考え方もあるが
 指導者にも生徒にも
 それは本当は苦しいんだ
 「がんばった」も「きつかった」も
 風のように流れていってしまう

 「結果」は石なんだ
 「がんばった」を留めおいてくれる石

 私の勝手な解釈かもしれませんが,大学の研究室での活動も同じだと思っています.学費を出してくれているご両親,目に見える結果を見せてもらったら,どんなに喜ぶことだろう.

(お母さん,私,学会で発表して賞をもらったの)
(父さん,俺が書いた論文が学会誌に掲載されたんだよ)

 卒業後,家庭を持って,子供が出来たら,子供に見せてあげなさい.今は受賞者や論文はWebで公開されているので,何年先でも見せることができる.

(お母さん,学生の時に学会で発表して,賞をもらったことがあるの)
(お父さん,学生の時に論文を書いて,学会誌に掲載されたんだ)

 そして,何と言っても石を置いた本人の達成感は,在学中の良き思い出として,いつまでも心に残ることでしょう.私は,研究室の全員が何らかの石を置けるようにと思っています.そして最近,みんなが研究室に置いていってくれた色々な石が積み重なって,大きな岩のような重さになってきたことを実感しています.

 そして―
 「結果」は集めるんだ
 強い 追い風を

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