―米軍兵士が見た沖縄特攻戦の真実
マクスウェル・テイラー・ケネディ【著】 中村 有以【訳】
という単行本を読了しました.「1945年5月11日、沖縄―。米軍の旗艦バンカーヒルを戦闘不能に陥れた2機の零戦による壮絶な特攻。その全貌を“日米”当事者への取材で描く迫真のドキュメンタリー。」 日米双方の立場からの検証というところがポイントだと思います.
これまでにも戦闘で損傷を受けた軍艦内部の様子を書いた本はたくさん読んできましたが,ここまで詳細に書かれた本はありませんでした.今後も出てこないと思います.600ページを超える内容のすべてを覚えられるはずありません.でも,これだけの量を読まされれば,その情報量に圧倒されて当時のバンカーヒル艦内の様子で頭の中がいっぱいになりました.正しく地獄そのものでした.
艦載機で攻撃しているので,空母の乗員は相手の損害を見ることがありません.苦しむ人も,負傷者も,そして死人も,目にすることは全くない.戦場にいるという自覚を持てなかった空母の乗員が,神風攻撃による大惨事によって初めて戦場と死に直面したという語りが一番印象に残りました.
結局,戦争の本当の怖さは,実際に経験しないと分からないのだと思います.でも,理解することを諦めてはいけない.久しぶりに戦争ものを読みましたが,定期的に読まなければいけないと思いました.
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