2019年3月23日土曜日

「ソロモンの偽証」を読む

 宮部みゆきによる長編推理小説「ソロモンの偽証」を読了しました.この小説は,「第Ⅰ部 事件」「第Ⅱ部 決意」「第Ⅲ部 法廷」の三部構成となっていて,各部500ページを超える文庫本2冊,合計6冊の文庫本をBOOKOFFですべて100円+消費税で買い揃えました.まず,最初の第Ⅰ部の2冊を買ったのですが,いつ頃のことなのか覚えていません.最近の出張中に第Ⅱ部の2冊を読了し,残りの2冊をこの週末にかけて一気に読了したというわけです.数年かけて読了した長編小説,感無量であります.
 私は宮部みゆきの作品はかなり読んでいます.最初に読んだ「龍は眠る」の衝撃は今でも忘れられません.「レベル7」「魔術はささやく」と読んでいくうちに,ものすごい作家が出てきたと思いました.今しらべてみたところ,文庫本になって読んでいない作品は2タイトルだけみたいです.これは,いわゆるひとつの愛読者と言えるのかもしれません.
 学校内で発生した同級生の転落死の謎を,生徒のみによる校内裁判で追求しようとする中学生たちを描く,現代ミステリーの最高峰.相変わらず宮部さんは文章が上手だと思いました.長くても嫌になることなく,どんどん読み進むことができました.読んでいる時間は楽しかったです.これは小説としては大事なことなのかもしれません.
 ただ,読み終えて何が残ったのかと問われると,正直,ビミョウですねえ.学校はともかく,警察ってこんなにお粗末なのかなあ? 色々と脇が甘すぎると思います.ありえない.でも,長時間を共に過ごした?おかげで,登場人物にはかなり感情移入していました.ミステリーではなく,青春小説と考えれば納得できそうです.まあ,どうでもよい本にレビューなんて書く気になれませんから,この作品はやはり名作と言えるでしょう.偉そうでスミマセン.

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