同じ階にあった 「音、光、力、運動、電気、磁気など私たちの身の回りで起こっている物理現象を体感し、実験することができる」 という 「身近な科学」 のフロアは,歓声をあげる子供達でいっぱいでしたが,傍から見ていると,実験器具を遊具のように感じているようでした.でもこれは,仕方のないことだと思います.小さな子供が,現象の本質を理解することは難しいですし,分かるように説明しても,面白いと思ってくれる子供は少ないと思いますから.子供達が,分かりやすい生き物の展示の方に興味を示すのは,今も昔も変わらない,当然のことだと思います.
しかし,分かりやすいというだけの理由で進路を選択するとすれば,技術系に進むという選択は後ろの方になってしまいそうです.ここはひとつ,子供でもひと目で分かるような圧倒的な技術をぶちかまして,子供達に衝撃を与えなければいけません.事実,私が技術寄りの理系に進もうと思うきっかけになったのは,小学生の時に両親に連れて行ってもらった 「宇宙博」 で見た巨大なロケットでした ⇒「m-shige's log: 宇宙博の思い出」.そう考えると,飛行機や新幹線に乗ったり,巨大な船舶を見たりすることは,子供達にとって良い刺激になると思います.
分かりやすいと技術としては,ロボットが一番分かりやすいと思います.実際,理工学に進学する学生の多くは,ロボットがやりたいということですから.理工学はロボットだけではないのに,ロボットに希望が偏るのはどうかという意見はありますが,動機がロケットであろうと,ロボットであろうと,理系を選択してくれたという事実に違いはありません.そういう意味では,ロボットは子供達を技術の世界へ誘う貴重なソースと言えるでしょう.
ここまで書いて,Youtube で 「H2Aロケット」 や 「スペースシャトル」 の打ち上げシーンの動画を見ながら,やはり一目で衝撃を与えるには,大きさや轟音などによる圧倒的な迫力が必要だと思いました.私にとっての科学技術のチャンピオンは,ロケットであるということを再認識しました.
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