2009年8月17日月曜日

CAMの研究に未来は?

 今日の午前中,依頼原稿の取材のために,吉祥寺にあるドイツのCAMベンダーの事務所に行ってきました.このベンダーのCAMは,5軸制御加工については世界一と言われています.最近,ここのCAMを使っているユーザーから話を聞く機会があり,技術的に興味深い点がいくつかあったので,今度書くことになっている解説記事で取り上げられることがあるかと思い,実際に事務所に伺って話を聞くことにしました.一時間以上,技術的なことや業界の動向など,色々と話をしました.取りとめなく話していたようでも,漠然としていた印象がまとまっていくように感じました.結論としては,ある程度使いこなすことが出来るようになれば,このCAMで対応できない加工はほとんどないだろうと思いました.
 私自身は,学生の頃から5軸制御加工CAMに関する研究に取り組んできて,現時点でも,私の研究室で動いているCAMの方が,このベンダーのCAMよりも色々なことを考慮して良いデータを計算できると確信しています.しかし,現時点では我々が主張していることは必要とされていません.ここまで色々なことを考える必要がある加工事例が無いということです.これからそんな事例が出てくるかどうか考えてみても,正直,思いつかないし,反対に色々考えることで,汎用性を低めてしまう恐れがあります.この5軸制御加工用CAMの研究,それぞれのアイデアについては,関係者の参考になっていると思いますが,モチベーションを維持するのが難しい時期にあると感じています.

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