2008年10月25日土曜日

I君の結婚披露宴

 今日は,5年前に修士課程を修了して名古屋の会社に就職したI君の結婚披露宴に出席するために,名古屋に行ってきました.彼は,私が一人で研究室を運営するようになって初めて修士論文を世話した学生の一人です.イラストなどを描くのが好きで,年賀状も自筆のイラストなので毎年楽しみにしています.私の研究室Webのトップページの画像も,彼が在学中に作ってくれたものです.http://www.ims.mce.uec.ac.jp/index.html
 口数は少ないですが,丁寧に淡々と仕事をこなす学生でした.研究では,最初は私のテーマを手伝ってもらい,修士課程では筆頭著者として投稿もしました.英語のものも加えると関わった研究論文が3つもあり,大変優秀な学生だったと思います.
 相手の方は美人で,性格も良いことがすぐに分かりました.二人とも,とても仲がよさそうでした.いつまでも仲良く,お幸せに.「永遠の幸を祈る」
 このような卒業生の披露宴では,他の卒業生と話せることも楽しみです.みんな30才ぐらいで,仕事でも中心的な存在になりつつあるようです.
 昨日のコンパで二日酔いになっていたので,お酒はまったく飲めませんでしたが,料理はおいしくいただきました.さすがに一流ホテルだけあって,どの料理も大変おいしかったです.とても幸せな気分で帰京しました.







2008年10月24日金曜日

全員進路決定祝い

 昨日の続きを期待した人がいるか(?)と思いますが,今日は月例研究室コンパがあったので,そのネタで.開始時に,大学院進学から進路変更した学生の工作機械メーカーへの就職が決まったことを知り,来年度の全員の進路が決まったお祝いとなりました.これで一安心です.
 私の研究室の学生は,私が工作機械メーカーへの就職を勧めているように感じていると思います.実際に私は工作機械メーカーによい印象を持っています.まず,工作機械は人の役に立っているという実感を持てるということ.やりがいのある仕事だと思います.私は,身の周りのどんなものを見ても,その後ろに工作機械の存在を感じます.そして,人を育てる会社が多いこと.懇意にしている社員の方と話していると,そのことがよくわかります.だから,学生が工作機械メーカーに就職してくれると,私は安心なのです.実際,寄り合いでも卒業生が就職した会社の人が「Y君,がんばっていますよ」とか話してくれることもあり,うれしく思うことがあります.でも,全て私の都合なので,学生にとっては迷惑かも知れませんね.あまり強く勧めると逆に引かれてしまうので,自然に話そうと思うのですが,本心を隠すことは難しい...
 コンパの肴は,焼き鳥と煮物でした.これは日本酒しかないだろう!と,いうことではしゃいで飲みまくった結果,やっぱり二日酔いになりました.
 正直に言うと,この投稿のほとんどは翌日の夜に書いています.まだ頭が痛いです.これから今日の出来事を書きます.

2008年10月23日木曜日

力覚呈示装置を利用した工作機械操作インターフェイス(2)

 昨日の m-shige's log: 力覚呈示装置を利用した工作機械操作インターフェイス(1) からのつづきです.
 担当していた二人がいなくなったこのテーマは,2005年度に配属されたY君が一人で引き継ぐことになりました.ある程度K君とF君が作ったベースがあったとはいえ,何も知らない4年生が一人で始めるのは大変だったと思いますが,Y君が修士課程に進学して一年たった頃にはシステムもかなり洗練され,来客者にデモをしても感心されるぐらいのレベルになってきました.
 ただ,完成度が高くなってくると同時に,システムの欠点も明確になってきました.それは,それまで利用してきた力覚呈示装置が出力できる力覚が,3自由度までに制限されているということでした.工具軸に対する干渉を再現するために必要となる,力点を中心としたトルクを出力できないということです.研究をこれ以上先に進めるためには,どうしても力覚6自由度の装置が必要でした.同じメーカーの力覚6自由度の装置の購入を検討してみましたが,安くなっても500万円という見積りで,とても買える額ではありませんでした.
 2006年9月,この研究の開始当初からお世話になっている業者の担当者が見かねて,K君が行ったT工大のS先生の研究室で開発された装置の購入を勧めてくれました.値段は半額以下になりましたが,まだまだ高額だったので迷っていました.2006年の12月には,Y君の中間発表を聞いた同じ学科でバーチャルリアリティの研究をしているI先生が声をかけてきてくれました.そのときに,どうしても力覚6自由度の装置が欲しいのだと相談したところ,やはりT工大の装置を勧められました.実はこの頃,この装置の開発の中心人物であるH先生が,T工大から本学科に転任してきて,私の隣の部屋に居ました.2007年1月には,K君自身が売り込みに来ました.もう,買うしかないな,と業者と相談していたところ,T工大S先生のはからいで,ここに書くことができないほどディスカウントしていただけることになりました.K君を接点にした不思議な縁を感じ,ここまでお世話になった皆さんに感謝の気持ちでいっぱいになりました.そして2007年3月,6自由度力覚呈示装置「Spidar」が私の研究室に来たのです.(つづく)

2008年10月22日水曜日

力覚呈示装置を利用した工作機械操作インターフェイス(1)

 今日はミーティングがあったこともありますが,研究室で取り組んでいる研究テーマの中から「力覚呈示装置を利用した工作機械操作インターフェイス」について書きます.
 この研究は,工作機械を人の思うまま,より簡単に操作するために,現行の機械ではボタンやスイッチ,ハンドルなどで構成されている操作インターフェイスを,バーチャルリアリティの分野で使われている力覚呈示装置に替えてみよう,というものです.
 海外の研究に参考になるものがあり,それを見て「もっとこうしたらいいのに」と考えていたのですが,私の研究室で手掛けることになったのは,2004年度にバーチャルリアリティの研究室が第一希望だったK君が,第ニ希望で私の研究室に配属されてきたことがきっかけです.彼はバーチャルリアリティの研究によほど未練があったようで,見るからにモチベーションが低下していたので,じゃあ,やらせてみるか,ということになりました.
 まず,開発環境の導入として,一番こなれたペンタイプの装置を購入することにしたのですが,最初は70万円を超える見積りで,ちょっとひるんでしまいました.しかし,もじもじと見積りを重ねているうちに,アカデミックディスカウントやらキャンペーンやらで,最終的に17万円になってしまいました.今でもこの装置は販売されていますが,廉価タイプのものでもこんなに安くありません.おかげで残った予算をグラフィックボードなどの計算機のパーツに投入することができました.とてもラッキーだったと思います.
 何も知らない学部生が一人で取り組むのは大変だろうと,K君と友達でK君と一緒に私の研究室に配属されたF君の二人で担当してもらいましたが,二人ともおもちゃを与えられた子供のように,どんどん機能を実装していきました.正直,卒研でここまで進むとは思っていませんでした.本当によくがんばってくれました.
 でも,結局K君はバーチャルリアリティを専門的に研究しているT工大の研究室に行ってしまいました.F君も「本当は精密加工がやりたかった」ということで,同じT工大でMEMSなどを研究している研究室に行ってしまいました.せっかく立ち上げたテーマも,担当者が誰もいなくなってしまいました.
(つづく)

2008年10月21日火曜日

やはり,ロボットか...

 今日,前学期に1年生を対象に行った「知能機械工学基礎セミナー」を受講した学生の感想文が回覧されてきたので,全てに目を通してみました.この講義は,8研究室が一回目の90分で専門とする研究分野に関する講義を行い,2回目の時間で研究室自体を見学してもらうというものです.講義&見学を担当しない教員は,課題を用意してプレゼンさせることになっています.私は講義&見学の方を担当しました.
 読み終わった第一の感想は,やはり卒研配属でも人気のあるレスキューロボットに取り組んでいる研究室のことを書いている学生が目立ったということです.ロボットの研究自体が学生にとってイメージしやすいうえに,人の役に立つということも明確で,人気があるのもわかる気がします.
 実は,私は講義も見学もばっちり対応できたと思っていたので,かなり期待して読み始めたのですが,私の研究室のことを明確に書いてくれた学生は4名でした.どうやら私一人で舞い上がっていたようです.正直言って,ちょっとがっかりです.でも,講義を担当された他の先生も,学生が興味を持つように話していたということがよくわかり,全体として学生には好評だったようです.
 大学の講義で学んだことをどこで使うのかイメージできないために,学生のモチベーションが低下するという話をよく耳にしますが,この講義でイメージできた学生が多いと感じました.この講義を継続するかどうか議論されることもありますが,継続した方がよさそうですね.

2008年10月20日月曜日

幸福な就職とは

 今日の3限は,Aコース生産システム工学の講義でした.2回目の講義で,内容は2週間前のBコースと同じです.一昨日のBコースの講義は3回目だったので,先行する内容から逆戻りして話すことになるので,少し混乱して苦労しましたが無難に話せたと思います.
 講義の最後に,今月末から東京ビックサイトで開催される日本国際工作機械見本市,JIMTOF2008を見学するように再度案内し,学生を対象とした併催イベント「来て!見て!JIMTOF」について,最近送られてきたパンフレットを配りながら説明しました.
http://www.nikkan.co.jp/j-forum/jimtof/index.html
 このイベントの前日にも学生を対象とした別のイベントがあり,学生に業界をアピールしようという工作機械メーカーの姿勢が見えます.車や電気製品とは違って,工作機械は一般の人が目にする機会がないため,より積極的にアピールしなければならないということです.
 これまで身近に見てきた製品の方が知識や愛着があるため,学生もそのような製品のメーカーへの就職を希望する人が多いようです.仕方ないとは思いますが,普段は目にしない物を作っている会社の中にも,有名な会社に負けないくらいよい会社があるということを知って欲しいと思います.会社の知名度や給料では,有名企業に勝てないかもしれません.でも,会社が高い利益を出して,高い給料をもらっても,働きすぎて体や心を壊しては何にもなりません.反対に,楽な仕事で高い給料がもらえる会社がよいかというと,それも違うと思います.それでいいじゃないか,何が問題だ,と実際にそのように暮らしている人もいるかもしれませんが,そういう人は社外活動などで自己実現できる場所がある人でしょう.でも,こんな人をいつまでも置いていられるほど,これからの企業に余裕はないと思います.力を付けることなく,年だけ取って,最後にリストラされたら,それからの人生はどうなるのでしょう.最近問題になっている派遣社員の人の中には,このようなプロセスで派遣社員になった人も多いと思います.この問題は,派遣社員になった人だけではなく,その人が派遣社員になるまでに係わった組織にも責任があると思います.
 いい会社とは,社員を使うだけではなく育てる意識のあるところ,社員の将来を考えて,キャリアを積ませてくれる会社だと思います.けっして甘やかすということではありません.逆にこのような会社の仕事は大変だと思います.学生の早い時期から,色々な企業の仕事を勉強することをお勧めします.
 だから工作機械メーカーがいい,と言っているわけではありません.あくまで,色々な企業の一つとして,一度は見ておいても損はないですよ,ということです,念のため.皆さん,JIMTOF2008に行きましょう!

2008年10月19日日曜日

景気が心配

 最近,アメリカ発の世界的な不況が問題になっていますが,今朝のニュース番組でも各局とも長い時間をかけて取り上げていました.日本は輸出国なので,現在の円高は自動車などの製造業にとっては,あまり好ましい状況ではありません.土曜日の朝のNHKのニュースでは,福井県にある工作機械メーカーが欧米への輸出に力を入れていたことが裏目に出ている状況だ,と報じていました.よく知っている会社で,お会いしたこともある社長さんがインタビューに答えていたので驚きました.しかし,日曜品や家電製品などで世界を席巻している中国も,大きな影響を受けることは間違いないでしょう.事実,中国の巨大な玩具メーカーの倒産が大きく報じられていました.最近目覚しい発展を遂げているインドも例外ではないようです.世界的に製造量の減少が予想されるため,あれほど高騰していた原油価格が下落したのは皮肉なことですね.なかなかバランスの良いところに落ち着かないものです.経済は本当に難しいと思いました.来年度の就職活動は,厳しいことになりそうです.