2009年9月12日土曜日

精密工学会秋季大会2009最終日

 今日も精密工学会秋季大会で神戸大学です.朝9時からのオーガナイズドセッション「金型設計・生産技術(1)」の座長を務めた後,引き続き「金型設計・生産技術(2)」のセッションの発表を聞きました.合計6件の発表を聞いて最後に思ったことは,研究のレベルも様々だということです.やはり,興味深く聞くことができた発表は,きちんと研究しているという印象のある先生の関係者のものでした.知らず知らずのうちに,あの先生のところの発表は聞いておこう,ということなるわけですね.私の研究室の発表も,聞いておこうと思われるように,しっかりとした結果を出し,十分に準備された,よい発表をしていきたいと思いました.
 12時から,11月に予定されている国際会議ASPEN2009の幹事会及びプログラム委員会に出席しました.私は,Abstruct集とProceedingsの作成の担当です.今日は準備した資料にもとづいて,費用とスケジュールの最終確認をさせてもらい,了承いただきました.後は,来週までに提出された論文を整理し,業者と作業を進めるだけです.10月初旬は,この仕事で忙しくなりそうです.

 午後は,発表した学生会員のポスターセッションが行われ,初日に発表した私の研究室の学生も参加しました.初めてのポスターセッションなので,戸惑っているようでした.
 ポスターセッションで大事なことは,まず,目立つポスターを作ること.フォントはゴシックにするべきでした.私のチェックも甘かった.あと,全面色をつけた方が目立つように感じました.
 あと,ポスターセッションは,受身になってはいけないのです.待っていても,質問してくれません.まず,配布資料を用意して手当たりしだいに配る.その場で資料を見てくれるなど,興味を持ってくれそうに見えたら「説明させていただきますか?」と断ってから,説明を始める.最初の説明は長くなってはいけない.3分ぐらいが適当でしょう.ここで更に興味を持ってくれて,質問などが出るようだったら,しめたものです.用意したノートパソコンなどを使って詳しい説明をしてあげましょう.「俺の話を聞け!」 ぐらいのオーラを発散することが重要です.でも,最初からこんなに積極的はできないと思います.私も最初は出来ませんでした.やはり,自信を持って話せるように,しっかりと研究することが一番大事だと思います.そうすれば,話したくて話したくて,仕方ないという気持ちになるハズです.
 参加したポスターの数は164ということで,最終日の午後にもかかわらず,大変な盛況でした.本当にたくさんの学生が,学会発表をしているということを実感しました.私の研究室の学生も,他大学の学生の様子を見て,いい経験になったと思います.
 今回の学会は,これまでに経験のない大きなテーマで講演する機会をいただくなど,大きな問題について考えるよい機会になったと思います.来年の秋季大会は名古屋大学です.

2009年9月11日金曜日

精密工学会秋季大会2009二日目

 今日(既に昨日になってしまいましたが)は,精密工学会秋季大会二日目です.朝9時半から行われた75周年祈念シンポジウム「技術ロードマップの死角」で,加工技術に係わる中堅(?)研究者の1人として,ロードマップの加工技術に関する部分について私見を述べるという主旨で20分間講演しました.なんだか,加工技術研究者の代表のように見られそうで,かなり困惑気味だったのですが,このときだけ自分を変えるというわけにもいかないので,加工技術ロードマップについて簡単に感想を述べた後,最近自分なりに考えている加工技術研究の方向性について,自分の考えているとおり話しました.講演よりも,最後にパネラーとしてコメントすることの方が心配でしたが,これも自分が考えているとおり話しました.私の意見をまとめると,以下のとおりです.
1.これからの研究者は,多軸化が不可欠.
 基礎研究⇔応用研究.
 役に立つ研究⇔役に立つか考えない研究.
 予算が取れる研究⇔予算が取れるか考えない研究.
2.今後のビジネスモデル ⇒ マス・カスタマイズ製品
3.パーソナル・ファブリケーション
4.異分野研究との連携の必要性
 シンポジウムの後,学食でインドカレーを食べました.唐揚げを乗せただけでチキンカレーとは?と思いましたが,カレー自体は意外とおいしかったです.しかし,今日の懇親会で名物のカレーが振舞われると聞いていたのを思い出し,選択を誤ったことに気がつきました.
 昼食後,学会が用意したバスで,特別講演と懇親会の会場となっている神戸メリケンパークオリエンタルホテルに移動しました.バスの中から特別講演の時間まで,8月にフィンランドから帰国した産総研の研究員の人と,ずっと話をしていました.日本とフィンランドの教育,仕事,研究などの社会の仕組みの違いについて,色々と話を聞かせてもらいました.根本的に人生観が異なるように感じました.どちらの国のやり方にも,一長一短があると思いますが,聞いているとフィンランドの生活の方が楽しそうですね.なんだか,この前読んだ新書「働き方革命」のことを思い出しました.
 15時から特別講演の後,学会賞贈賞式,受賞講演の後,18時から懇親会となりました.会場も料理もすばらしかったです.神戸牛や明治三年からの歴史があるというカレー,神戸大ブランドの吟醸酒などを堪能しました.20時半に中締めとなり,ホテルのシャトルバスで三宮に移動し,11時まで2次会の後,ホテルに帰りました.明日も9時からのセッションで座長を務めることになっています.今回の大会は毎日早起きでつらいです.お休みなさい.

2009年9月10日木曜日

精密工学会秋季大会2009初日

 今日から精密工学会秋季大会です.ホテル近くの朝マックで英気を養い(?)ました.何回かの経験の末,私の朝マックは,フィレオフィッシュのセットに固定されています.学生が発表することになっている9時からのセッションに間に合うように,余裕を持って最寄駅の六甲駅に8時には到着していたのですが,思いのほか長時間歩くことになってあせりました.神戸大学工学部,なかなか不便なところにありますね.
 私の学生の発表,発表自体は堂々としていて,とてもよかったのですが,質疑応答は今ひとつだったと感じています.質疑応答は,こちらから一方的に話すだけではなく,相手に合わせて自分の考えを伝える必要があるので,一段階高いレベルが求められると思うのですが,学会で初めて発表する学生に,そこまで求めるのは酷ですね.実際,他大学の学生も出来ていませんでした.今後に活かして欲しいと思います.
 夕方から,発表した学生を慰労するために,三宮駅近くの店で食事会を開催しました.この店は地ビールで有名な店で,最近読んだもやしもん8巻地ビール編に影響されて,ずいぶん前から予約するなど,とても楽しみにしていました.3,500円の飲み放題コースで,ピルスナー,IPA,ポーター(黒ビール),ラオホの,4種類の地ビールを2杯づつ,合計8杯も飲ませていただき,久しぶりにうまい酒を堪能させていただきました.ソーセージも串カツも,とてもうまかったです.ここで飲もうとする方は,今日の私達と同じように,3,500円の飲み放題コースをお勧めします.個人的には,どっしりしたIPAが好きなのかと思いましたが,やさしめの黒ビールも飲みやすく,飲み飽きた時にはさわやかさなピルスナーが絶妙でした.4種類の地ビールをうまくローテーションすれば,いくらでも飲めるような気がしました.
 今日の学会は楽しく過ごせました.明日もがんばります.

2009年9月9日水曜日

今夜から神戸です

 今日の午前中,国際会議の実行委員会に出席するために,東大本郷に行ってきました.行く途中,赤門前のナチュラルローソンでヘルシア緑茶を買った時,袋はいらないと断ると,1ポイント加算してもらえました.スーパーなどでは,袋を有料にしたり,袋を断ると値引きしたりして,Reduceに協力するところが増えていますが,コンビニでも同じような取り組みが始まっているのですね.
 明日から神戸大学で精密工学会秋季大会が開催されます.明日は朝一番のセッションで,私の研究室の学生が発表するため,前日から三宮のホテルに宿泊することになりました.名古屋までは通勤感覚で移動することができるようになりましたが,さすがに大阪は遠いですね.関西はまだ暑いのではないかと思っていましたが,だいぶ涼しく感じます.全国的に秋ですね.
 昨年の東北大学での大会では,脳トレの川島先生の特別講演を聞いて感化され,DSを購入して脳トレを始めるようになり,いまだに毎日続けています.今年の大会でも,何か感化されるような出来事を期待しています.

2009年9月8日火曜日

お詫び

 今日,昨日から始まった3次元CAD/CAE集中講義が始まる前に,自分のデータをバックアップできるように,各自でUSBメモリを用意するように勧めました.3年生ぐらいになると,持っている学生も多いのですが,1年生や2年生は,まだ持っていない学生が目立つようです.生協に千円以下で購入できるものがあるよ,と言って講師の方にバトンタッチして退室しました.
 お昼休みに生協に買い物に行きました.今日は購入するものが多く,カウンターであれもこれもと手続きしているうちに,学生実験でUSBメモリを26個購入することになっていたことを思い出し,安いものがないか探したところ,在庫処分で1GBのものが1個680円で売っていました.10個しかありませんでしたが,明らかにお買い得だと思ったので,全て買い占めました.
 いくら公費で払うからと言っても,財源は国民の皆様の血税なので,無駄遣いは許されません.「良い買い物をしたな」と,晴れ晴れとした気持ちで自分の部屋に戻る途中,午前中に安いものでもよいからUSBメモリを購入するように学生に話したことを思い出しました.
 あれ?俺って,とってもひどいことしていない?安いものを買うように学生に勧めながら,一番安いものを全部買い占めるなんて... それから,自己嫌悪の気持ちで一杯になった私の心は鉛色...

2009年9月7日月曜日

メカトロ応用ITものづくりコース2009

 今日から,メカトロニクス応用のITものづくりコースとして,SolidWorksを使った3次元CAD/CAEの集中講義が始まりました.この企画も,もう3年目です.昨年は30名を超える学生が参加しましたが,今年の受講希望者は23名でした.ずいぶん前から学科の掲示板に案内を掲示していたのですが,7月になってもあまり希望者が増えず,慌てて学生実験などの機会を見つけて,参加することがどんなにためになるか説得するようにしたところ,ぼちぼちと集まり始めました.でも,受講をお願いするなんて,大学の教員としては,なんだか複雑な気分です.今年は,最後にアンケートをしてみようと思いますが,おそらく,先生や先輩に勧められて受講することにした,という学生が多いのではないでしょうか.みんな若いのだから,何事にももっと主体的に取り組んで欲しいと思います.
 しかし,夏休みに学校で勉強しようという心意気やよし.決して,勉強が嫌いなわけではないのですよね.講義の冒頭に受講者に話しましたが,この集中講義は決して振り落とすというものではないので,わからないことがあったら,講師の先生やTAにどんどん質問して欲しいと思います.全員脱落することなく,最終日のプレゼンを迎えられたらと思います.
 と,言っている初日早々から,私の研究室の学生が脱落しました...

2009年9月6日日曜日

働き方革命

という本を,先ほど読み終えました.これは,最近,Amazonの「こんにちは、森重功一さん。おすすめ商品があります。」のところを何気なく見ていたときに,やけに評価数が多いのが気になってカスタマーレビューを読んでみると,非常に好意的で熱いコメントが多かったことを覚えていたので,書店で偶然見つけたときに買っておいた本です.
 はっきり言って,この本は大お勧めの作品です.私はこれまでに,生き方を曲げられるほど影響を受けた本が数冊ありますが,それに匹敵するような印象を持ちました.しかも,読みやすい.
 仕事のスマート化については,この本に書いてあるように,私の研究室でも,9時出社&18時退社を義務付けようかと思いましたが,学生は嫌がるでしょうね.熱中して遅くまで研究することがダメというわけにもいきませんし.でも,家族と朝食を夕食を一緒に取るということは,遅くまで残業するよりも,人間的に良いことがたくさんあるような気がしてきました.
 仕事だけが働くことではなく,一人ひとりが日常的なことや地域活動などで,もっと気楽に働くことを意識することができれば,日本を変えることができる,という考え方には共感できます.
 個人的には,妻とのパートナーシップは結構うまくいっているけれど,両親や妹,親戚の人達とは,もっと話をする機会を積極的に作った方がよいだろうな,と思いました.
 著者の駒崎弘樹氏は,まだ30歳と若い方ですが,これまで話題になってきた若手企業家とは違う,クリアなカリスマ性を感じます.これからの活躍にも,注目していきたいです.