2011年3月19日土曜日

いつか船で世界一周

 今日は今月の16日だった妻の誕生日のお祝いをするために,横浜中華街に行って来ました.東北関東大震災のことを考慮して,外での飲食は控えた方がよいのではないかと直前まで悩んでいましたが,先月から夫婦で楽しみにしていましたし,最近,家の雰囲気も沈みがちだったので,気晴らしを兼ねて行くことを決断しました.ご理解いただけると幸いです.
 最寄りのみなとみらい線 元町・中華街駅ではなく,2駅手前の馬車道で降りて,関内の街を散策してみましたが,あちこちで地盤沈下による建物の破損が見られ,今回の大地震による被害の大きさを実感しました.
 土曜日の午後の中華街といえば,いつもは観光客でごったがえしていて,人とぶつかるのを避けながらゆっくり歩くしかないのですが,今日の通りはまるで普通の街の商店街のような込み具合で,通りを端から端まで一気に走れるのではないかと思いました.
 予約した時間まで2時間ほど余裕があったので,山下公園に行ってみましたが,ここもかなり寂しい状況でした.例えば,左の写真は公園のベンチに座りながら撮影した氷川丸ですが,土曜日の午後3時半にこんな写真が撮れるなんてありえないと思いませんか?今までに経験したことのない山下公園を堪能することができました.
 山下公園から大さん橋の方を見ると,大きな船が停泊している様子だったので見に行くことにしました.停泊していた船は,郵船クルーズが所有・運航している外航クルーズ客船「飛鳥Ⅱ」でした.船籍港は横浜港だったんですね.客室のデッキに見える椅子とテーブルや,夕食の用意をしているレストランの様子を見て,こんな船で世界中の国々を旅することができたらどんなに素晴らしいだろうと,夫婦で大いに盛り上がりました.退職して時間ができたら,絶対に行きたいと思います.でも,そのころ飛鳥Ⅱは退役しているでしょうね.
 本来ならこの下に,夜の中華街で食べたご馳走の写真を並べるところですが,それはしばらく控えることにいたします.楽しい一日でした.すみません.明日から節約に励みます.

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2011年3月18日金曜日

自宅でヤシマ作戦を展開

 今日の大学のある調布ケ丘の計画停電は,9:20~13:00の間の3時間が予定され,16:50~20:30にも追加停電の可能性あり,ということでした.昨日の午後の計画停電を大学で迎えた時,居室の寒さにひるんだ私は,午前の停電を自宅マンションで迎撃することにしました.自宅マンションのリビングには南向きの掃出し窓があり,晴れた日の昼間は暖房を必要としません.9:15には準備完了,9:30頃から停電となりました.
 停電中の自宅マンションで過ごして気付いたこと.電気がないと我が家の設備はほとんど機能しません.昨日の投稿にも書きましたが,風呂,トイレ,給湯などのスイッチ類はすべて電化されているため,一切使用できません.また,水道も2階以上の階への水は電動ポンプで汲み上げているため,停電すると出なくなってしまいます.かろうじて使えたのはガス台のガスだけでした.お昼は,このガスでお湯を沸かして,カップうどんを食べました.やはり,温かい食べ物はありがたいですね.
 停電は12:15頃に終わりましたが,停電中や通電直後の電化製品の動きが色々と判明しました.一番うるさかったのはエアコンです.通電してから色々なウォーミングアップ動作を長々と繰り返していたので,停止して即座にコンセントを引き抜きました.暖房は床暖房しか使っていませんし,なによりも電気のムダです.反対に,停電中に玄関近くの廊下を明るく照らしていた非常灯には頼もしさを感じました.
 結論として,確かに寒くはありませんでしたが,停電時の自宅の住み心地は,あまり快適ではなさそうです.色々と対策を考える必要があります.
 明日の土曜日は会社も休みで,計画停電の予定はないそうです.久しぶりに電気や電車の心配をしないで過ごすことができます.

2011年3月17日木曜日

ヤシマ作戦に初参加

 今日の調布市は,12:20~16:00の時間帯のうちの約3時間,計画停電が予定されていました.昨日も停電がありましたが,その時私は都内に居たので,停電を経験するのは今日が初めてとなりました.早めに昼食を取り,厚着をして居室で身構えていると,12:30に停電となりました.最初はまったく問題なかったのですが,14:30あたりから寒さで仕事にならなくなりました.停電は15:30に解除されましたが,寒さでずいぶん消耗したような気がしました.今日の私はたった3時間でしたが,こんな状態で何日も暮らしている被災地の人たちのことを思うと,なんとも言えない気持ちになります.
 停電が終了してから暖房をつけて仕事をしていると,TwitterのTLで「予測不能な大規模停電」という単語がチラホラしはじめました.まさかね,と思っているうちに,寒さのために消費電力が供給量を超えて「予測不能な大規模停電」が発生する恐れがあるため,一層の節電と早期退庁を促す学内アナウンスがあり,同じ内容のメイルも配信されてきました.私はさらなる節電のために,歩いて10分の自宅マンションに撤退しました.
 実は,私の自宅マンションは,昨年購入したばかりの最新型であるにもかかわらず,昨今のオール電化の潮流に逆って,都市ガスを多用する仕様となっています.光熱費はガス代の方が高いのです.購入当初は「時代遅れ?失敗したかも…」とちょっと後悔したこともありましたが,このような状況となってはガスを使っていることを誇りに感じますね.でも,スイッチ類は電化されているので,停電すると使えなくなることには変わりありません…
 あと,リビングのミニシャンデリアの電球をLEDに替えておいて,本当によかったと思っています.以前の白熱電球60W×3個=180Wでは,申し訳なくて使えないところでした.今ではこのシャンデリアの消費電力が一番低いので,夜の照明の主力となって活躍しています.
 寒さは明日までということなので,明日をしのげばなんとかなると信じています.あと一日,節電を頑張りましょう!

2011年3月16日水曜日

曲がった東京タワー

 今日の午後,日工会の先端ソフトウェア技術調査研究専門委員会に出席するために,芝公園の機械振興会館に行ってきました.震災発生以来,都内に外出するのは初めてです.交通機関の状態がどうなっているか不安でしたが,京王線も都営大江戸線も通常通り運行していました.逆に,いつもより空いていました.
 赤羽橋駅で降りて,機械振興会館に向かって歩きながら,今回の震災で曲がったと聞いていた東京タワーを見ていました.東京タワーが曲がったと聞くと,途中からグキッと曲がったのではないかと思う人がいるかも知れませんが,先端の部分が曲がっただけです.しかし,これまでの地震ではなんともなかったものが曲がったということから,今回の地震がいかに大きなものだったか分かります.当時,タワーの展望台に居た人は怖かったでしょうね.今日は安全確認のため,立入禁止ということでした.
 15時から開催された委員会では,経産省などに予算を要求できるソフトウェア技術に関する課題について話し合いました.委員会の成果として,日本国内のユーザにとって有益となる具体的な製品が出てくることが求められています.つまり,製品を開発するメーカが必要となるのですが,ボリュームゾーンが東南アジア諸国にある今,国内向けの製品を開発してくれるメーカが出てくるのかが問題です.しかし,このまま何もしなければ,日本独自の製造系ソフトウェアは消えゆくのみです.諦めたら,そこで試合終了です.
 おそらく,出席した委員の中で一番ネガティブだった私.苦労性なのでしょうか? でしょうね,人からはそう言われます.

2011年3月15日火曜日

宇宙に消えた行事予定

 今日の夕方18時20分から22時にかけて3時間の計画停電が予定されていました.我が家の夕食は停電解除後ということになったので昼食はがっつりいこうと,調布の天神通りに今年の1月にオープンした話題(?)の「すた丼」を食べてみました.まずいとは言いませんが,味は濃いめで,夕食のご飯を150gに制限している私にとって450gは多すぎでした.しかし,他のメニューも色々とありそうなので,今後は猛烈に腹が減ったときに行って研究してみようと思います.結局,今日も調布の計画停電は中止になり,あまりお腹が空いていないのに無理して夕飯を食べることになってしまいました.作戦失敗です.被災者の皆さんに申し訳ない.
 今週から来週にかけて出席する予定だった行事の全てが,東北関東大震災の影響で宇宙に消えました.
・14-15日:精密工学会春季大会
・16日:王子にある企業の訪問
・18日:日本機械学会RC249研究分科会
・19日:延期されていた後期試験
・22日:学科年度末パーティ
・22日:専攻若手教員送別会
 バーティと名の付くものの開催は難しいと思いますが,その他の行事は参加者に利益以上の苦痛を強いると判断されたものだと思います.後期試験の中止は大学人として断腸の思いですが,停電の予定が不明確である今,公平かつ円滑な試験の実施は難しいでしょう.かろうじて残ったのは明日の日工会の寄り合いのみですが,これはこれからの製造系ソフトウェアのあり方について検討する委員会です.参加する委員が移動の苦労を承知しているのであれば,集まって有意義な議論をするだけです.
 全てのイベントを十把一絡げに中止するのではなく,開催することの利点と欠点についてよく吟味してから,決断することが大事だと思います.何もかも諦めてしまっては,何も前進しません.

2011年3月14日月曜日

計画停電とマーボー豆腐定食

 本日から2011年度精密工学会春季大会が,東洋大学の白山キャンパスで開催されることになっていました.初日の今日は卒研発表会が行われる予定で,私の研究室からもKD君とOM君の二人が発表することになっていました.東北関東大震災による計画停電のために,関東地方では朝から電車の数が制限されており,最寄りの調布駅は駅舎に入る前から長蛇の列で,7時半に自宅を出た妻は1時間半並んでも駅舎に入ることもできず,9時過ぎに出社を断念したというメイルがありました.その直後,大会の全日程中止の連絡がありました.生真面目なKD君は朝から学会に出席しようとしたらしく,人の波を突破して列車に乗り込み,既に新宿駅に到着していましたが,こちらからの撤退命令で調布に帰ってきました.調布駅前の西友は買出しをする客で大混乱.調布パルコをはじめ,主要な店でも休業するところが目立ちました.水だけでなく,精肉や野菜の不足が予想されます.
 お昼は三人で,大学の目の前にあるラーメンショップでマーボー豆腐定食を食べました.この店は,結婚する前は毎晩のように食べに来ていた店ですが,最近はすっかりご無沙汰してます.おそらく,3年ぶりぐらいではないでしょうか.それにしても,マスターとマーボー定のあまりの変わりのなさに驚くと同時に,ほっとした気分になりました.
 午後になって,2年前に研究室から修士を修了して母国の中国で働いているY君からメイルがありました.今度の震災を知って何度も電話したが通じなかったこと,私と研究室のスタッフを案じていること,中国の人が日本のことを心配していることなど,スクリーンいっぱいに広がった,たどたどしい日本語を見て,思わず涙がこぼれました.
 結果的に,今日の調布市の計画停電はありませんでしたが,たとえ実施されたとしても,被災した人たちの苦しみに比べれば何のことはありません.電力会社を非難することなく,電気があるときは全力で仕事し,昼に停電すれば窓からの光で仕事し,夜に停電すればiPadで英語のリスニングをして過ごします.