2008年10月18日土曜日

議論,大歓迎

 今日の朝は,昨日名古屋駅でお土産として買った「赤福」をおいしくいただきました.今また食物の安全性が問題になっていますが,この赤福も賞味期限偽造の問題で一時期食べられなくなりました.私の妻は,会社の不正行為よりも赤福が食べられなくなったことに怒っていました.またこうして食べられるようになってよかったですね.
 今日の午後は,Bコース生産システム工学の講義でした.まず始めに,生産システムの具体例として,トヨタ生産システムと循環型生産などについて説明しました.トヨタ生産システムはともかく,循環型生産の内容はどうしても概念的な話になるので,つまらないようです.今日も多くの学生がおちていました.最後に,次回から解説する工作機械の導入として20分ほどビデオを見てもらいました.工作機械はメカっぽい話も多いので,機械や加工が好きなら楽しく聞けるでしょう.
 講義後,2名の学生が質問に来ました.一人の質問は,トヨタ生産方式を採用して成功している企業はどのような企業なのかということと,中小企業に適した生産システムに関する取り組みはないのか,という質問だったと思います.自動車メーカーは程度の差はあれどのメーカーも同じような取り組みをしているだろうということと,他の業種でトヨタのやっていることを完全にまねするのは難しいと思うので,できるところを参考にするぐらいの態度でいいのではないか,中小企業は人員も設備も限られているので,ルールを細かく決めて縛るのではなく,その時その時の状態を最適化するように対応する方が現実的だ,と答えました.それを聞いていたもう一人が,中小企業は技能で勝負していて,いい仕事をしているところも多いのに,それをアピールすることができていない,そういう点では大学の研究室も同じではないか,とコメントしてきました.なかなか痛いところを突かれましたね.理由は異なりますが,どちらもアピールすることに慣れていないのだと思います.中小企業はWebを活用するなどしてアピールすることが大事だと思います.大学のアピールの必要性については,研究内容によってだいぶ温度差がありますね.私自身は大事だと思っています.動画を公開するようになったのも,このようなことを意識してのことです.大学の研究者らしくないと言われることもありますが,これが私のスタイルなので,変える気はまったくありません.
 学生が自分の考えを教員にぶつけて議論するとことは,大学らしくてとてもいいことだと思います.このような議論はいつでも大歓迎です.できれば毎週議論したいものです.

2008年10月17日金曜日

府中で講演,名古屋で会議

 今日の午前中は,府中で開催された「産学連携プラザ2008」で研究紹介の講演をしました.題目は一昨日と同じ「5軸制御加工技術とその可能性」です.今日も会場を駅前のビルと勘違いして,あわやという思いをしましたが,パソコンを立ち上げてメイルを見て会場を確認して事なきを得ました.一昨日の件といい,もうボケが始まったような気分です.最悪の立ち上がりでした.会場は講演会場の他にパネル展示もありました.講演前に時間があったので,他の団体のパネルを見て回りました.今回のイベントは多摩地区の中小企業を対象にしたものと聞いていたので,もっとローカルなものかと思っていたのですが,全国の大学が参加していることを知って驚きました.どの大学も産学連携には必死なんですね.講演は15分と短い時間だったので,自分の研究のことは話さず,5軸制御加工の可能性を中心に解説しました.一昨日の講演もそうですが,何か反応があればいいのですが.
 本当は昼休みに名詞交換などしたかったのですが,14時から来年6月に東京蒲田で開催が予定されている「型技術者会議2009」の実行委員会が予定されていて,それに出席するためにあたふたと新幹線で名古屋に移動しました.昔は名古屋はある程度遠いところでしたが,最近はちょっと遠いぐらい,移動もあまり長く感じなくなってきました.名古屋駅前の会議室に到着したのは14時45分と大幅な遅刻ですが,今日は仕方ありませんね.議題はメインテーマと,特別講演,特別企画,特別セッションなどの内容と担当者の決定,予算や協賛団体,今後のスケジュールの確認などでした.なんとなく決まったという感じですが,昨年度から留任の方が多いので,大丈夫でしょう,きっと.会議後は近くの居酒屋で懇親会が催されました.これまであまりお話しする機会がなかった人と話すこともできて,よかったです.次回の実行委員会は来年2月初めの予定ですが,委員の皆さん,担当となった企画をよろしくお願いいたします.

2008年10月16日木曜日

日産自動車 座間事業所 見学

 今日の午後は,日産自動車 座間事業所を見学しました.私は型技術協会の企画委員会で「技術交流会」という見学会の企画のとりまとめをしています.今回の見学については,2年間という長期にわたって交渉を担当してきたという経緯もあり,進行役として参加させていただきました.見学会といっても,型技術協会が主催するということもあり,金型製造に関係のない会社では,なかなか参加者が増えません.やはり,実際に金型を作っている会社の見学は人気があるようです.特に自動車会社は大人気で,今回の見学も定員50名で募集を開始してからあっという間にいっぱいになり,直前まで見学希望の問い合わせが事務局にあったということです.自動車は,サプライヤーから購入する部品がほとんどで,自動車メーカーは部品を組み立てるだけだとよく言われますが,ボディパネルとエンジンだけは別です.これらの部品は自動車の個性に直結するものなので,どのメーカーも独自で設計・開発して,自分の工場で生産しています.今回見学した座間事業所も,バンパーやボディパネルなどの大物部品の金型を設計・製作しているところです.さすがに大きな金型を作っているだけあって,工作機械や成形機もとても大きく,しかもとてもたくさん使われていました.こんなに大きな機械を,こんなにたくさん使っているのは,自動車会社ならではでしょう.やはり,大きな会社にしかできない仕事があります.見学したい人が多いのも当然だと思いました.
 私は,工場を見学する機会があったら,可能な限り参加することにしています.今回の事業所のことも,話では聞いていて,やっている仕事も理解できていましたが,やはり実際に見るということはとても大事だと思います.今回の見学内容を文章にしてみろと言われると,これまで知っていたこと以外のことを書くのは難しいと思いますが,これまでの知識が裏づけられて整理され,記憶に焼き付けられるように感じます.見るだけでもぜんぜん違うのです.これからも実際に見る機会を大事にしていきたいと思います.
 ちなみに,写真撮影は禁止だったので,お見せする写真はありません.あしからず.

見学会ダブルヘッダー

 今日は午前と夜の2回の研究室見学に,研究室をあげて対応しました.
 午前中は群馬県の高校1年生40名の見学に学科2研究室と課外活動からロボメカ工房の3団体で対応しました.まだ1年生だということを直前に知り,4テーマを20分で説明できるか不安でしたが,やはり十分に理解してもらうには時間が足りなかったようです.3グループに分かれての見学でしたが,後ろのグループを気にする必要のない最後のグループの人は,満足してくれたように感じました.私の研究室の見学には,1時間は必要だということを再認識しました.
 18時半から,先月お話した調布市の中小企業の方を対象としたセミナーの講師として「5軸制御加工技術とその可能性」という題目で講演することになっていたのですが,会場を間違えて本当の会場に到着したのが講演の3分前,慌てて立ち上げたパソコンがウイルス対策プログラムの暴走で正常起動までに10分もかかり,予定よりも5分も遅れて講演を始めるということになってしまいました.そのため,予定よりもあわただしく話すことになってしまいました.これはとんでもない失態です.学生には,時間に余裕をもって準備を確実にしろ,とか言っているのに,そんなこと言う資格はありませんね.ただ,言いたいことは強調できたと思うので,話題に興味のある方にとっては何かを感じてもらえたと思っています.講演後,3つのグループにわかれて研究室の研究について見学してもらいました.学生達も,たくさんの大人を前に説明するのには慣れていないので,とても疲れたと思います.これまでになく,たくさん質問されたということで,よい経験になったのではないでしょうか.どんな人のいかなる質問にも納得してもらえるように答えられるようになって欲しいものです.でも,見学された方々から,大変わかりやすく説明してくれて,普段からよく鍛えられていることがよくわかる,と言ってもらえました.これはうれしかったですね.卒研などで発表技法を鍛えた成果でしょう.就職してからも,大きなアドバンテージになると思います.
 見学会終了後,21時から買ってきたピザで打ち上げをしました.予算は1万円だったので,本当はLサイズを3枚買うのがやっとだと思っていたのですが,取りに行くなら半額という店を調べて6枚のピザが用意されました.若者らしいバイタリティに感服です.一人5切れも分け前があったので,若い彼らもさすがにお腹一杯になったようです.働いたあとのご馳走(?)は,すばらしい!とても充実した一日が終わりました.

2008年10月14日火曜日

中国食品のQC

 6日間中国旅行に行っていた大学院生が買ってきたお土産のお菓子とお酒を見て,ちょっと驚きました.ISO 9001を取得しているようなことがパッケージに明記されていたのです.ISOは,工業標準の策定を目的とする国際機関のことです.ISO 9001は,品質管理の仕組みを認証するものです.つまり,何かを製造している工場がこの認証を取れば,その工場が品質を管理する仕組みがきちんと確立できていることを国際機関が認めたことになります.正門に「ISO 9001取得工場」などと書かれたプレートを張るなどして,取得済みであることを主張する工場は日本でもよく見かけますが,製品しかも食品に明記してあるのは初めて見ました.最近,中国製の加工食品が色々と問題になっていますが,そのための対策なのでしょうか.でも,日本の食料品も色々と問題になっているので,そのうち日本の食品のパッケージにも明記されるようになるかも知れませんね.ちなみに,ISOの認定は会社にとって大変なプロジェクトなので,これを取った工場だけは信用したいです.そうしないと,何を信じればよいのか...

2008年10月13日月曜日

中華街で食事会

 今日は私達夫婦と両方の両親の六人で,横浜中華街で食事会をしました.私達夫婦は調布に住んでいますが,実家は両方とも横浜市なので,両親の負担にならないように我々が横浜に出かけることにしています.みなとみらい線で元町中華街に着いたときに一時間ほど時間があったので,山下公園を二人で散策しました.調布と横浜はそれほど遠くないですが,空気というか雰囲気というか,何かがちょっと違う気がします.私の実家は戸塚で,海は遠いのですが,やはり調布とは違うと思います.これが懐かしいという気持ちなのでしょうか.将来は横浜に住みたいですね.
 食事はお気に入りの中華料理店でホリデーコースを堪能しました.六人顔をそろえる機会は年に何回もありませんが,たまに会えば積もる話もあり,楽しいひと時をすごすことができました.これから私の仕事が忙しくなるので,次に両親に会えるのは正月ですね.それまでお元気で.

2008年10月12日日曜日

人生の幸福とは

 今日は日曜日で,ゴルフスクールなどに行きましたが,特に書くことがありません.こんなときは,これまでに私が読んだ本の中から,気に入っているフレーズなどを紹介することにしたいと思います.
 今回は,キングスレイ・ウォードという人の書いた「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」という本から.この本は,父親が息子へ手紙形式で語るという内容なのですが,その中の「第21通 人生の幸福とは」の最後のフレーズです.

 人生の価値は時間はなく,その使い方で決まる.長生きをしても,空しい人もいる.人生に喜び(幸福)を見出すかどうかは,その身の上話ではなく,心の持ちかたで決まる.
と,モンテーニュは四百年ほど昔に言った.


 これはモンテーニュの言葉ですが,その直前の著者の言葉の方が好きです.

 幸福は何かを成し遂げたときに得られる.何かを成し遂げるためには,自由意志による選択と態度,責任の受容と遂行,そして常に試みようとする,強固な,不屈の精神が必要である.

 なかなか深い言葉ですが,このような日本語にした訳者 城山三郎の仕事も,すばらしいと思います.