2011年9月3日土曜日

朽ちていった命

-被曝治療83日間の記録-」 という本を,昨日の夜から今日の朝にかけて読みました.1999年9月に起きた茨城県東海村での臨界事故.核燃料の加工作業中に大量の放射線を浴びた患者の方の83日にわたる壮絶な闘いの記録です.福島第一原発の事故以来,原発に関係する書籍を二冊ほど読みました.
 ⇒m-shige's log: 「原発のウソ」
 ⇒m-shige's log: 「エネルギーと原発のウソをすべて話そう」
どちらの本も,原発に関係するものの理不尽さとか,自分が事実を知らなかった恥ずかしさとか,最後は色々なものに対する「怒り」で終わるような内容でしたが,今回の本は,ひたすら悲しい内容でした.読んだ後,本当に何もしたくないという状態になりました.
 中性子線を被曝した人間がどうなってしまうのか,丁寧に書いてありました.いくつか掲載されている写真も,凄惨なものではありませんでしたが,患者の苦しみを理解するには十分なものでした.人間がこんな風に死んでいく事故が起こる仕組みが,どんな理由があろうとも,存在してよいはずがありません.日本は,世界唯一の被爆国でありながら,自ら被爆者を出すような国になってしまいました.

 制御できないものを使ってはいけない.
 原子力発電に,断固反対いたします.

2011年9月2日金曜日

色々とお疲れ様会

 今日は,先週行われた大学院IE専攻入試の結果を踏まえ,進路を確定するために骨を折ったであろう学生を慰労しようということで,研究室でお疲れ様会を開催しました.今年度は,大学院も定められた定員をしっかり守るということで,大変厳しい入試となりました.しかし,厳しいという予想とは裏腹に,私の研究室の今年度学部卒業あるいは修士修了の学生については,すべて進路が確定しました.この点については,教員としてずいぶん楽をさせていただきました.本当によかったと思います.
 本日から,8月の間休止していた研究室の研究会が再開しました.身の引き締まる思いです.やはり,大学・大学院らしい活動あってこその研究室だと思います.10月から講義が始まるなど,これから忙しくなりそうですが,前向きな気持ちを忘れないように過ごしていきたいです.

2011年9月1日木曜日

京都旅行2011夏(9. ウイスキー匠の技講座)

2011年8月28日の日曜日,京都旅行の最終日である三日目の午後は,サントリー山崎蒸溜所に行ってきました.ここには6月に一人で来て,ハイボールを楽しむセミナーに参加しました⇒ m-shige's log: サントリー山崎蒸溜所見学.その時,セミナーの内容自体には満足したのですが,一人でとっても寂しかったので,今度は妻を連れて二人で来ようと心に決めていました.その願いを,たった二月でかなえることができました.
 前と同じセミナーでは私がつまらないので(笑),今回はより上級者向けといえるセミナー,「ウイスキー匠の技講座」を予約しました.このセミナーは,工場見学の後,サントリーのチーフブレンダーの映像に合わせて,蒸溜したての「ニューポット」から,「山崎12年」を構成する3種類の樽原酒,「ホワイトオーク」,「シェリー」,「ミズナラ」のテイスティングを体験ができます.
「ニューポット」は,酸っぱい香りで,味は荒々しいですが,想像していたほど悪くはありませんでした.
「ホワイトオーク」は「ココナッツ」.旨さを感じさせる甘い香りです.
「シェリー」は「ドライフルーツ/レーズン」.この樽の材料は,スペイン産のオークだそうです.濃縮された味わいで,少し酸味を感じます.
「ミズナラ」は「お香」.香りが複雑で,お茶を感じます.最後まで舌に残るような深い味わいです.
最後は,ブレンデッドウイスキー「山崎12年」と「響17年」を,オリジナルのおつまみと一緒に楽しみました.さすがに「響17年」は,ストレート&水割りで飲みましたが,「山崎12年」は,ハイボールでいただきました.やはり,暑い夏はハイボールがおいしいですね.普段の倍以上のアルコールを摂取した妻もすっかり上機嫌になって,説明員の女性をつかまえて,楽しそうに会話していました.おかげで,京都旅行を楽しく締めくくることができました.
 以上で,調子に乗って9回にもなってしまった「京都旅行2011夏」の投稿を終わります.本当に楽しい旅行でした.これからは,毎年京都に行きたいぐらいです.もしかしたら我慢できなくなって,秋に行ってしまうかもしれません.

2011年8月31日水曜日

京都旅行2011夏(8. 晴明神社)

 2011年8月28日の日曜日,京都旅行の最終日である三日目の午前は,予定を立てていませんでした.ホテルの部屋で,八つ橋の切れ端とお茶の朝食を取りながら,何処か観光したい所がないか妻に尋ねたところ,「もののけに由来のあるところに行きたい」と言います.「そんな所,見当も付かない」と困惑する私に,「安倍晴明なんて,京都で活躍した人じゃないですか」と言うので,iPad で調べてみたところ,なんと,その安倍晴明を祀っている神社が西陣にあるではありませんか.ということで,これまでの観光からガラっと趣旨を変えて,「晴明神社」を参拝することになりました.
地下鉄烏山線で今出川まで行き,そこから15分ぐらい歩いて「晴明神社」に到着しました.私の古いガイドブックには,コラムの一つに「穴場」として少し解説してあるだけの神社だったのですが,ひっきりなしに参拝客がやって来るのを見て驚きました.「陰陽師」などに代表される安倍晴明ブームは,まだまだ続いているようです.これまでになく熱心に観光している妻と一緒になって,私自身も結構楽しんでいました.来て良かったです.今週末は「陰陽師」鑑賞会ですね.

 まだ時間があったので,晴明神社から西にずっと歩いて,北野天満宮を参拝しました.ここは,学問の神様である菅原道真公をお祀りしているとうことで,合格祈願をする人などで大変な賑わいでした.

2011年8月30日火曜日

京都旅行2011夏(7. 京料理を食す)

2011年8月27日土曜日,京都旅行の最後の夜は,京都駅ビル内にある京料理の店で食事しました.本当は,駅の近くではなくてもいいから,市内にある名店で食べようと妻と話していたのですが,隣りの大阪では大雨が降っているなど天気が不安定でしたし,一日中歩きまわって疲れていたので,駅ビルに入っている一番よさそうな店に入りました.
コース料理を奮発しましたが,松茸一本まるごと入っている「鱧と松茸のお椀」,「ハタのお造り」,お食事の「鱧茶漬け」など,今まで食べたことのない京料理を,地酒の日本酒と一緒に堪能しました.大満足の京都の夜でした.


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京都旅行2011夏(6. 清涼寺と大覚寺)

 2011年8月27日土曜日,京都旅行の二日目の午後は,嵯峨野にある大きなお寺を二つ観光しました.
最初に訪れた清凉寺,建物としては,大きな本堂よりも,一番上の写真にある仁王門が印象に残りました.本堂に入って,国宝の「木造釈迦如来立像」を拝観しました.この像は,宗で彫ったものを日本に持ち帰ったものだそうで,その経緯が珍しいですね.確かに,京都の他の像とは,趣がかなり異なっていました.一緒に持ち帰ったと伝わる五臓六腑のレプリカも展示してありました.昔の人が,人の内臓をどのように見ていたのか分かり,面白かったです.
次に訪れた大覚寺は,今日観光した中で一番大きなお寺でした.広大な枯山水庭園が見事でした.ふすまに書いてある色々な絵も楽しめます.お寺の東側には,大きな大沢池を臨むことができます.空の様子が水面に映えて綺麗でした.このお寺は,見学しやすいようによく整備されていて,気持よく観光できます.嵐山・嵯峨野地区を観光される方は,この大覚寺を観光されることを強く勧めます.他のお寺から離れていることが難点ですが…
以上で,嵐山から嵯峨野まで黙々と歩き続けた観光を終わりにして,JR嵯峨嵐山駅から電車で京都に戻りました.かなり疲れましたが,大変充実した観光でした.

2011年8月29日月曜日

京都旅行2011夏(5. 嵯峨野へ)

 2011年8月27日土曜日,京都旅行の二日目の昼頃には,嵯峨野にあるお寺を巡り歩きました.
常寂光寺では,眩いばかりの一面の緑に圧倒されました.いや,もう本当に緑一色ですよ.Webで写真を見てみましたが,これが秋には紅葉で真っ赤になるんですね.秋にもう一度訪れたいお寺です.
二尊院では,藤原定家が百人一首を選定した場所とされる「時雨亭跡」を見学しました.百人一首,懐かしいですね.私の中学校では,クラス対抗百人一首大会なんてものがあって,私も担当の歌を必死に覚えたものです.あの百人一首の歌が,ここで選定されたかもしれないのですね.
祇王寺では,一面の苔に圧倒されました.同じ緑色ではありますが,常寂光寺の緑よりも一段と濃い緑でした.この寺は苔の庭で有名ということですが,夏に訪れて,元気いっぱいの苔を堪能しました.
時々,雨がさーっと降り過ぎていきました.「時雨亭」とは良く言ったものです.どの寺も,秋の紅葉で有名とのことですが,夏の緑もなかなか良いものです.何よりも,静かなのがいいです.秋の行楽シーズンでは,こんなにゆっくり見てまわることは出来ないでしょうから.

京都旅行2011夏(4. 嵐山)

 2011年8月27日土曜日は,京都旅行の二日目.京都は,バスや電車で移動した郊外に,見どころが多いです.これまでに,比叡山や大原などを観光したことがありますが,今回は一度訪れてみようと思っていた嵐山・嵯峨野を観光することにしました.
午前中は嵐山を観光しました.JR京都駅から嵯峨野線で20分ほどして,JR嵯峨嵐山駅に到着,そこから南に歩いて,桂川に架かる「渡月橋」に到着しました.この周辺は,桜花や紅葉の名勝として有名ですが,夏は長い橋のある普通の光景です.でも,緑の映えるエネルギッシュな嵐山は,今しか見ることができないのだと思い直し,しっかりと目に焼き付けておきました.一生,忘れません.
渡月橋を後にして,世界文化遺産である「天龍寺」に向かいました.私は,京都のお寺の庭園が大好きです.この天龍寺の石庭はとても有名なので,来るのを楽しみにしていました.大方丈から臨んだ曹源池の見た庭の様子は大変見事なもので,ここだったら一日中座っていられると思いました.拝観コースを歩くと,苔生した斜面の緑があまりにも美しく,思わず溜息が漏れました.
拝観コースを奥まで進むと北門に到着し,そこからトロッコ嵐山駅方面に向かうことができます.途中の竹林に覆われた細い道が,またいい味を出していました.

京都旅行2011夏(3. 坂本龍馬のお墓)

 2011年8月26日金曜日の午後5時過ぎ,京都霊山護國神社に到着しました.ここの明治維新史跡「旧霊山官修墳墓」 には,今でも根強いファンの多い幕末の英雄「坂本龍馬」のお墓があります.同時に遭難した「中岡慎太郎」の墓も,同じ大きさのものが龍馬の墓に向かって右側にあり,やはり同時に殺害された下僕・藤吉の墓も,龍馬の墓の左側奥にありました.
龍馬の墓からは,京都の街が一望できます.思わず口から,昨年の大河ドラマ「龍馬伝」のOSTに収められているお気に入りの曲「想望」のメロディーが出てきました.「るるるるーる,るるるるるる,るるるるーる,るるるるー」
他にも,龍馬と同じ土佐藩の志士「吉村寅太郎」や,長州藩士「桂小五郎」後の「木戸孝允」と,その妻「幾松」後の「木戸松子」のお墓もあります.龍馬の墓には,私達の後からも見学者がひっきりなしに訪れていましたが,吉村寅太郎はともかく,木戸孝允のお墓のある所まで登ったのは我々だけでした.確かに,坂本龍馬の生き様は魅力的で,人気があることもよく理解できますが,木戸孝允の業績も負けないぐらい立派なものだと思うんですけどね.
ホテルに帰ろうと最寄りのバス停に向かう途中で,雨が降り始めました.最近の京都は,夕立が定常化しているそうです.ホテルに戻ってからも雨が降っていたので,夕食はホテルにあるダイニングカフェ&バーで取ることにしました.午後から短時間の観光でしたが,とても充実した一日となりました.

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2011年8月28日日曜日

京都旅行2011夏(2. 清水寺)

2011年8月26日金曜日の午後1時半過ぎ,京都駅に到着しました.すぐに宿泊先である京都駅前のホテルにチェックインし,部屋に荷物を置いて,観光に出発しました.覚悟はしていましたが,京都は大変な暑さでした.
 京都駅前からバスに乗って五条坂バス停で下車,狭い坂道を二人でうんうん言いながら15分ほど歩いて,仁王門と三重塔が見える入り口にたどり着きました.ここまでで,もう汗でビッショリ.しかし,清水の舞台のある本堂に入ってみると,風が吹き抜けてとても涼しく,思わず長居してしまいました.
清水寺は,中学の時の修学旅行で来たハズなのですが,もう27年も前のことなので,はっきりとした記憶がありません.ただ,清水の舞台から下を見てみると,なんとなく昔見たことがあるような気がしました.清水の舞台の高さは13メートルだそうで,4階ぐらいの高さでしょうか.中学生だった私は,「あまり高くはないなぁ」と思っただけでした.周りの景色に心を配る余裕がなかったんですね.まぁ,修学旅行の時は見学時間も短く,せわしないものだったなので,仕方なかったのだと思います.今日は,舞台の西側に京都中心部を望むことができました.27年もかかりましたが,ようやく本当の清水寺というものを理解できたような気がしています.
清水寺を後にし,次の目的地に向けて,三年坂,途中で右に折れて,二年坂,と下って行きました.おそらく,二年坂を通ったことはないと思います.修学旅行の時は,バスの待ち合わせ場所に向かって,一心不乱に三年坂を下ったのでしょう.三年坂だけでも,昔ながらの町並みを観光することができますが,二年坂はさらに静かで,より京都らしい雰囲気を堪能できます.清水寺の近くに,こんなに良い所があったんですね.「無知とは罪」であると,つくづく思いました.

京都旅行2011夏(1. 東京エキナカ「GRANSTA」)

2011年8月26日金曜日から28日日曜日まで,夫婦で2泊3日の京都旅行に行って来ました.夫婦での旅は,昨年の韓国済州島以来です.本当は,3月ぐらいに行くつもりだったのですが,震災の影響で諦めてしまいました.私も,来月から年度末まで講義や学会で忙しくなるので,今が今年度最後のチャンスでした.本来は,1日1投稿とするところですが,あまりにも書くことが多いので,1テーマ毎に投稿させていただきます.この方が,私も書きやすいですし,皆さんも読みやすいでしょう.
 初日,東京駅11時20分発の新幹線のぞみに乗ることになっていました.東京駅のどこかで早めのランチを取ってもよかったのですが,今回は趣向を変えて,各自で食べたい駅弁を自由に買って,車内で食べることにしました.東京駅改札内の地下1階に2007年にオープンした「GRANSTA(グランスタ)」,実は今まで足を踏み入れたことがありませんでした.ここの駅弁コーナーがとても充実しているという記事をある雑誌で読んで以来,いつか利用してみようと機会を伺っていたところです.実際に現場に踏み込んでみると,「これが,エキナカ?」 というぐらい色々な趣向の店舗がぎっしり並んでいて,大変な賑わいでした.
私は「おこわ米八」という店で一番豪華に見えた「米八幕の内 味吉祥(夏)」を,妻は「ぎんざ泥武士」という店で6種類の惣菜パック「絆・六彩」と「まるごと豆腐 おだしのジュレ添え」を購入しました.新幹線に乗車して早速食べてみましたが,私の弁当は店の名前のとおりおこわが主役のようで,どうもおかずが物足りませんでした.一方,妻の弁当の方は,野菜中心のお惣菜というわりにはボリュームたっぷりに見えました.次回は,私もこの店で買ったものを食べてみたいと思います.
新幹線を利用するときは,いつも品川駅を利用していましたが,お弁当を利用する時は東京駅にしてみるのもいいですね.