2011年7月9日土曜日

「サンチョさん」の花が咲きました

 今週,自宅マンションのベランダで育てている(というより,生きている)アロエが花を咲かせました.義母から小さな小鉢でもらったものが大きくなって,一昨年の夏から花をつけるようになり,昨年も花を楽しんでいました⇒ m-shige's log: 学科送別会2010夏
 よく知られているように,夏のマンションのベランダの環境は,鉢植えの植物にとって過酷そのものです.おそらく40℃を超えているであろう高温の中,限られた土と水で生きていかなければなりません.ほとんど砂漠です.このような環境の下で,1週間水をやらないことがあっても元気に育ち,目を見張るほどきれいとは言えませんが,花まで咲かせてくれるアロエを見ていると,なんだか元気が出てきます.

2011年7月8日金曜日

投稿通算1000回達成

 この投稿で,このブログの投稿数が通算1000回となりました.通算500回を達成した時に感想を書かせていただきました⇒ m-shige's log: 投稿通算500回達成.この時にも書いていますが,このブログは本当に色々な人に読まれているようです.特に,昨年から始めたTwitterの効果は絶大で,今では多くのFollowerの方が読者登録をしてくれています.自分のために書いているブログを楽しんで読んでくれる人がいるということは存外の喜びです.
 しかし,自分のために書いているという気持ちのせいか,どうも最近はグチっぽい内容も多く,関係者の方々の気分を害するようなことも少なくないようです.あくまで自分のためのブログではありますが,始めた当初は不特定の人に読まれることをきちんと考慮して,他人が読んでも楽しいものを書こうとしていました.どうやら,その気持ちを忘れていたようです.先月末あたりから初心に帰って,出来るだけ前向きな内容を投稿するように心がけているつもりですが,どうでしょうか?
 3年弱で1000回ということですから,このペースで書き続ければ,大学教員としての定年を迎えるまでに通算1万回に到達するかもしれません.気の遠くなるような話ではありますが,気力と体力が続く限り,書き続けていきたいと思います.

2011年7月7日木曜日

元気な中小企業社長さんによるパネル討論会

 始まりは,一昨日,型技術協会の技術交流会で見学したペッカー精工でいただいた成形品のサンプルの写真をFacebookに投稿したことからでした.ペッカー精工の社長さんが,話が面白いぶっとんでるヒトだという話になり,講演を聞いてみたい⇒ この人と討論させてみては?⇒ 大学でやってもいいかな?⇒ いいね! と,いうようにあっという間に展開し,本日の昼過ぎには,提案のあった3人の社長さんから承諾の返答をいただくことができました.

株式会社ミナロ 代表取締役 緑川賢司 さん
http://www.minaro.com/

株式会社ペッカー精工 代表取締役社長 小泉秀樹 さん
http://www.pecker-seiko.com/

株式会社モルテック 代表取締役 松井宏一 さん
http://www.moltec.co.jp/

学生の人は知らないかもしれませんが,業界の人が見たら,ビックリするほどの講師陣です.すごい!羨ましいぞ!電通大の皆さん!

 これから企画を進めていきますが,9月までは節電の関係で学内で集会をするのは難しいので,開催は10月になりそうです.できるだけ多くの学生に聴講して欲しいので,5限(16:15-17:45)に行う予定です.始めにお三方にそれぞれ20分ほど自由に講演していただき,残り30分をディスカッションに当てたいと考えています.討論のテーマについては,私の方から提案させていただきます.まだまだ決めなければならないことがたくさんあります.経過については,このブログでも報告していきたいと思います.

2011年7月6日水曜日

足踏みは退歩

が,今日6日の『日々のことば 本田宗一郎「夢」』のことばでした.「これ以上はない、これが最善だと考えてしまうのは、その場で足踏みをしているようなもの。世の中はたえず進んでいる。足踏みは退歩にほかならない。どんなものでもまだまだ工夫の余地がある。それをお互いの心がまえとしたい。」という解説が添えられていました.これも当たり前のことのように感じますが,実践するのはなかなか難しいものです.
 自分のことから考えれば,まず,研究者の足踏みはありえないことです.研究者の足踏みとは,新しいことに何も挑戦しないでいるということです.私は,失敗することは退歩ではないと考えています.反対に,何かに応用しようという目的なく,漫然とやっている勉強は,前進しているつもりでも,仕事の上では退歩だと思います.目的のない勉強は「趣味」だと思います.でも,「趣味の勉強」は大事だとも思っています.私自身も,自宅では「趣味の勉強」をたくさんしています.勉強は,楽しい.
 諦めたり,満足したりして,現状維持に専念しようとすることは,あるかもしれません.しかし,維持しようとするだけでも,新しいことをしなければならないと思います.それもしないでいるならば,もはや消え去るのみではないでしょうか.ここでもやはり,「イノベーション」ですよ.

2011年7月5日火曜日

「(株)ペッカー精工」を見る

 今日は,型技術協会と(社)プラスチック成形加工学会が主催する第108回技術交流会に参加するために,埼玉県東松山市にあるペッカー精工に行って来ました.池袋から東武東上線の急行で最寄り駅の森林公園まで一時間.(株)MヨシのSさんと一緒に昼食を食べようとしましたが,駅前に店らしきものが見えませんでした.一瞬,駅前のコンビニで何か買って,公園のベンチで食べることを覚悟しましたが,ランチタイムをよろこんで営業中の日本海庄やを発見出来たことは幸いでした.森林公園駅前にこの店があること,一生,忘れません.
 交流会は,13時30分から始まりました.(株)ペッカー精工は,自動車部品内外装用,家電品用,携帯電話用,医療機器,ゲーム機などに供する金型の製作を手がけています.金型の種類も,射出成形用金型,チクソモールディング用金型,インサート金型,二色成形用金型,ホットランナー金型と多岐にわたります.
 また,日本国内で唯一,韓国のNADA Innovation社よりE-MOLD 金型の製作ライセンスを取得しています.E-MOLDとは,金型表面の急速加熱急速冷却を行うヒートサイクル成形システムです.ヒーターを使った高温成形によるガラスやカーボン入りのナイロン,あるいは,スーパーエンプラの薄肉高強度,ウエルドレス,ハイグロス成形が可能となります.今日の技術交流会は,このE-MOLDを含めた「加熱・冷却金型」に関する話題が中心となりました.E-MOLDシステムを使うと,樹脂に含まれているガラスやカーボンが製品表面下に沈み込んでピカピカとなるうえに,ウエルドラインなどの成形不良も大幅に改善されます.私達が普段何気なく使っている製品の中にも,このような加熱・冷却金型で成形されたものがたくさんあります.話では聞いたことがある技術でしたが,実物を見て記憶に焼きつきました.成形サンプルもいただいたので,後期の生産システム工学のプラスチック成形の内容の時に紹介したいと思います.
 2件の話題提供の後,加工の第1工場,仕上げの第2工場,トライ成形の第3工場という順番で見学しましたが,マシニングセンタ,NCワイヤーカット,NC放電加工機,成形機,積層造形機など,多数の機械が導入されており,樹脂成形に関することなら,なんでもござれ!という感じでした.
 今回の技術交流会は,募集人数25名のところ参加者24名と満員になりました.参加者からの質問も多く,技術に関する注目度の高さを感じました.私自身も,本当に勉強させていただきました.交流会を企画された関係者の皆様に,心より御礼申し上げます.

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2011年7月4日月曜日

カントとドラッカーにおける自由

 昨日,週間ダイヤモンドのドラッカー特集で感銘を受けた経営哲学の記事を紹介しました.⇒ m-shige's log: 経営者に求められる自律と挑戦
今日も引き続き,同じ記事にあった「自律的な自由の表現 そのためのマネジメント」の内容を紹介したいと思います.

 哲学者イマヌエル・カントは,人は生まれながらにして自由ではないが,自由意志,意志の自律に基づく 「自律的行動の自由」 を持つことができるとし,「他律的行動」と「自律的行動」による 「二元論的人間観」 に立っているそうです.

「他律的行動」 とは,お金,モノ,名声などの外的要因が刺激となっている「功利主義的行動」です.動物の行動や機械の動きと同じです.

「自律的行動」 とは,誰に言われるでもなく自ら実行する能力,つまり,「実践理性」に基づく行動です.まったく新しいことに挑戦したり,行動した後に後悔したりするのは,この自律的行動の表れだそうです.人間独自のものと言えます.

「ただし、自律的行動によって失敗したとき、その原因は他ならぬ自分にあります。それゆえ、自由な行為には常に責任が伴う。「自由と責任は対概念」 だとカントは考えました。自由とは無制約になんでもできるということではなく、責任を伴うという意味で道徳的な行為でもあるのです。

 このKOGJ大学の先生の解説,素晴らしいですね.ドラッカーも,次のように述べているそうです.

「自由とは開放ではない。責任である。」

「自らの行為、および社会の行為について自ら意思決定を行うことである。そしてそれは意思決定に責任を負うことである。」

 自由とは責任である.
 責任のない自由は,趣味である.
 自分の趣味に他人の資産を使うことは,罪である.

2011年7月3日日曜日

経営者に求められる自律と挑戦

 先日,週間ダイヤモンドのドラッカー特集で感銘を受けた記事について紹介しました.⇒ m-shige's log: 【エッセンシャル版】 ドラッカー Part1
今回は,他の記事の内容を紹介したいと思います.

 「Part 3 ドラッカーが全てを教える」にある最初の記事で,経営哲学の先生が述べている「利益でなく顧客創造を企業の目的とする理由」に,大変感銘を受けました.ドラッカーが経営者に求めた企業の目的は「顧客の創造」「イノベーション」でしたが,それを実現するためにも,この先生は「経営者も自由人たれ」と主張しています.客の声を聞いて刺激反応的に売れる商品を作ればいいというような,受動的な態度ではいけないと.

「経営者も人間として生まれたからには自由を行使し、自らイノベーションを起こし、能動的に新製品を顧客に問う。そこから新しい顧客、新しい産業が生まれ、自由な産業社会が形成される。」

 しかし,イノベーションを起こそうとしても,必ず成功するという保証はありません.「百発百中は曲芸」ですから.「イノベーションを図って失敗したときのために,経営者は利益を取っておかなければならない」という発想なのです.利益は,貯めこむためのものではなく,自由にイノベーションを追求するための保険というわけですね.

 私は経営者ではないので,この考えを実践することはできません.しかし,無責任に聞こえるかも知れませんが,「利益はイノベーションのため」と聞くと,なんだかワクワクしてきます.自分の研究活動からもイノベーションを発信できるように頑張りたいと思っています.