2011年3月12日土曜日

3.11を忘れない

 
この度の東北関東大震災で亡くなられた方に心から哀悼の意を表します.

被災した人たちのために,私は何ができるのだろう.
 

2011年3月10日木曜日

Illustrator vs PowerPoint

 今日は朝から英語の論文に使うポンチ絵を描いて過ごしました.新しい成果が出たわけでもないのに,絵を描いているだけでクリエイティブな仕事をしているような気分になれるから不思議です.久しぶりに前頭葉が喜んでいるのを感じました.
 私の研究室では,グラフィックソフトとしてAdobeのIllustratorを奨励しています.大学院生にはCS2,卒研生にはVer10のライセンスを1つずつ与えています.私が使っているのもCS2です.最新のバージョンはCS5ということなので,3年以上古いものを使っていることになりますが,CS2ぐらいになるとGUIもずいぶんよくなっているので,何の不満もありません.
 Illustratorを使う利点は,出来ないことがないことです.お絵かきツールが力不足で描きたい絵が描けないということになれば,かなりフラストレーションがたまることになるでしょう.Illustratorを使っていれば,まず,そんなことはありません.出力されるEPS形式などのデータの質がよいことも大きなアドバンテージだと思います.欠点は,なんといっても値段が高いこと.また,超弩級アプリケーションなので,それなりのディスクやメモリの容量を必要とするところでしょうか.
 しかしながら,ここ数年間で,研究室の学生のほとんどが,Microsoft PowerPointで絵を描くようになってしまいました.Wordと同じようなGUIに慣れているし,自宅でも使えるので,自然に使うようになってしまったようです.しかし,きちんとした論文に使うには,表現力に限界があると思います.また,印刷会社が要求するEPS形式のデータを出力することができません.
 というわけで私の研究室では,来年度からIllustratorの使用を強制しようと考えています.しかし,会社に入ったら,Illustratorを使う機会はないでしょうから,学生にとってはあまりメリットはないかも知れません.しかし,最高レベルの道具を使ってみることも大事なことだと思います.もしかすると,会社でものすごい苦痛を味わうことになるかも知れませんが…

2011年3月9日水曜日

マシニングセンタ単独使用資格試験

 本日の午後,一人の学生に対して,学科所有のマシニングセンタを単独で使用することを許可するための実技試験を行いました.試験項目は以下のとおりです.

①電源ON
②原点復帰
③工具の準備
④工作物の取り付け
⑤原点設定
・ワーク座標系(G54)の設定
・タッチプローブやタッチセンサを使った計測
⑥NCデータの確認
・NCシミュレータの利用
・エアカット
⑦加工開始時の振る舞い
・クーラント位置
・シングルブロックの利用
⑧加工中の振る舞い
・問題の認識と対応
⑨加工後の考察
⑩機械の掃除
⑪電源OFF

 多く感じるかもしれませんが,実際はこれでも少ないくらいです.使用工具と加工条件を決める時な考え方や,工作物を固定するための治具の準備など,本当に加工を理解していなければ対応できない内容についても確認しておきたいところなのですが,限られた時間ではそれもできません.
 今日受験した学生は合格となりました.1時間半,作業する様子をじっと見ていました.ゆっくりでしたが作業は確実で,間違いがあっても自分で気付いて修正できていました.また,原点を測定しやすいように段取りするなど,独自の工夫も見られました.今後は好きなように使えるので,どんどん使えば,まだまだ伸びるでしょう.
 工作機械の操作では,スピードよりも確実性が求められます.どんなに早く動いても,間違いを犯したら何にもなりません.高価な工作機械を壊してしまうだけでなく,最悪の場合は大怪我をする恐れもあります.実際,熟練作業者の動きは速いのではなく,動きに無駄がないのです.無駄がないから作業もシンプルになり,ミスも減ることになります.無駄のない動きを身につけるには,正しい作業を淡々とこなすようにするのが一番の近道です.
 これで単独運転できる在学生は3人になりました.まだまだ少ないですね.もっと増えるように期待します.

2011年3月8日火曜日

型技術者会議2011 プログラム編成

 昨日の午後から,今年の6月に開催される型技術者会議2011のプログラム編成をしています.最近の実行委員会の幹事は,私と誰か学校の先生の二人体制です.これは,私一人では頼りないからだと思います.昨年開催された2010のプログラム編成は私が担当したので,順番からいけば,今年はやらなくてよい年なのですが,1ヶ月前に開催された第2回実行委員会を欠席してしまったので,その罪滅ぼしという気持ちで引き受けることにいたしました.
 今回のプログラム編成では,同じカテゴリー(樹脂,プレス,ダイカスト等)の講演が,同じ時刻に別会場で同時講演にならないように注意しました.例えば,これまではCAD/CAM/CAEなどのソフトウェアに関する講演については,カテゴリーに関係なく「CAD/CAM/CAE」のセッションに組み入れていました.しかし,これではプレスに関係するソフトウェアの講演とプレスのセッションの時間が重なった場合,どちらしか聴講することができません.プレス加工の関係者は,両方の講演を聴きたいハズです.アンケートにも,この問題について指摘する意見が散見されました.そこで今回の作業では,明らかに一つのカテゴリーに関するソフトウェアの講演であれば,CAD/CAM/CAEではなく,応用先のカテゴリーのセッションに入れることにしました.結果として,CAD/CAM/CAEのセッションが一つ減り,プレスの講演が15件,5セッションと増加しました.プレス加工関係者にとっては,有意義な型技術者会議になりそうです.
 作業が終わって気がついたことは,三大カテゴリーといえる,樹脂,プレス,ダイカストのバランスが,大きく崩れているということです.「プレス・鍛造」の講演数が15件で一番多かったですが,「ダイカスト・鋳造」の講演も9件あり,まあまあの数でした.一方,「プラスチック成形」の論文は,かき集めても3件にしかならず,一つのセッションにするのがやっとでした.樹脂金型の製造拠点が海外に移動しつつあることを実感しています.
 色々と苦労はありますが,聴講される人にとって少しでも有意義なイベントになるように,幹事としての務めを果たすのみです.皆さん,型技術者会議2011でお会いしましょう!

2011年3月7日月曜日

口癖は「ガラパゴス」

 今日の朝はずいぶん冷えると思っていたら,降っていた雨が8時ぐらいから雪になりました.昼過ぎには雨になり,積もっていた雪は完全に消えてしまいましたが,3月の東京に雪が降ると,もう春が近いそうですね.早く暖かく優しい春になって,冷たく厳しかった冬を忘れさせて欲しいものです.
 妻の話では,最近の私の口癖は「ガラパゴス」だそうです.困ったものですね.以前から,日本は海外では通用しない独自のシステムから脱却できそうにないと感じていました.先週,台湾の台北國際工具機展覽會を見学して,その思いがさらに強くなりました.自分の研究活動に関係している工作機械,NC装置,工具,ツーリングなど,産業機器のほとんどがガラパゴス化しているように感じています.どの製品についても,海外製のものが日本に入りにくいようにする何かを感じます.
 昨年の国際会議で訪れたシンガポールは,東南アジア諸国へ製品を売り込むための前線基地,先週訪れた台湾は,中国へ製品を売り込むための前線基地だそうです.日本の手前で,全て西に流れてしまうのです.日本はもっと開かれるべきだと思います.

2011年3月6日日曜日

台北旅行忘備録

 今後,台湾(台北)を旅行するにあたって,参考になりそうなことをまとめておきたいと思います.

1.台湾ドルへの両替は,現地でするのが吉
 私は羽田で両替しましたが,29,757YENが9,100TWDになりました.現地では,旅行会社が10,000YENを3,500TWDと交換していました.怒りを感じています.しかし,台湾は物価が安いので,現地ではそれほどお金は使わないと思います.高級レストランで食事などしなければ,両替は2万円ぐらいでよいのではないでしょうか.

2.食事は,現地の人が利用する食堂が吉
 台北では,現地の人が利用するような食堂で食事することをお勧めします.通常,英語は通じませんが,英語や日本語が通じるところもあります.何よりも,安い!一品100TWD=300円ぐらいです.500TWD=1,500円も使えば,腹いっぱい食べられます.しかし,店に入ってからメニューを見ても,字だけではまったくわかりませんので,事前に食べたいものを決めて,その料理の字をメモしておくとよいでしょう.

3.交通機関は,MRTの利用が吉
 初日にホテルからTIMTOS会場までの移動にはタクシーを使いましたが,200TWDかかりました.帰りから地下鉄みたいなMRTとバスを使い始めましたが,長距離移動を含めて6回も利用したのに100TWD足らずでした.乗車時間も短いし,駅や車両も綺麗で,安全です.目的地の最寄り駅までMRTで移動して,そこからバスもしくはタクシーを利用するとよいでしょう.しかし,タクシーの運転手が英語を理解できないことがよくあります.漢字で目的地が書いてある地図を持っているといいでしょう.

4.故宮博物院の見学について
 最終日に,故宮博物院を見学しましたが,土曜日だったので大変な混雑でした.やはり,土日の見学は控えた方がよさそうです.また,正午近くは昼食を取るためか,ツアー客がぱったりと途絶えたように感じました.一番混雑する3階の玉のブースの見学は,正午にした方がよいかもしれません.

台北にて(4.故宮博物院)

 台北に来て四日目,最終日となった3月5日土曜日は,帰国のフライトまでの空き時間を利用して,国立故宮博物院を見学しました.昨日の夕方,台北に来てから初めて太陽を見ました.台湾は日本よりも暖かいだろうと予測して,春物のスーツで来た私でしたが,昨日までは日本と変わらないのではないかと思うほどの寒さでした.今日は朝から晴れ間ものぞいて,台湾らしい(?)暖かな日となりました.
 MRTで最寄りの士林駅まで移動し,そこからバスで15分ぐらいで故宮博物院に到着しました.天気の良い土曜日であるうえに,日本でいう大安の日にあたるらしく,出かける人が多かったようです.さらに,海外からのツアー客も合流して,故宮博物院は超満員でした.
 特に人気があったのは,「玉(ぎょく)」の展示コーナーでした.翡翠を加工した工芸品(?)はとても綺麗で,見ているだけでも楽しいです.個人的には,造形品としての加工方法にも興味を持ちました.しかし,本当にものすごい混雑ぶりで,人混みを大の苦手としている私は何回も離脱しなければなりませんでした.2時間ぐらいしかなかったので,ゆっくり見学できませんでした.今後,プライベートで台北に来る機会をつくり,その時にじっくり見学したいと思います.
 今回,はじめて台湾を訪問しましたが,非常に日本に似ている国だと思いました.これまで多くの国を旅しましたが,滞在中に感じるストレスが一番少なかったのではないでしょうか.日本以外だったら,どこに住みたいか?と聞かれれば,迷うことなく台湾と答えるでしょう.
 皆さん,2年後に開催されるTIMTOS 2013でお会いしましょう.