2010年4月17日土曜日

新入生合宿研修二日目


 今日は新入生合宿研修二日目です.昨晩は上の階の学生達が深夜2時過ぎまで走り回り,その騒音と振動でよく眠れませんでした.引率の大学院生が何度か注意しに行ってくれたそうですが,あまり効果はなかったようです.若くて元気なのは大変結構ですが,他人に迷惑をかけるのはどうかと思いますね.
 朝起きて窓から外を見てみると,一面の銀世界でした.スキー場のゲレンデも,全面雪で覆われていて,一瞬,スキーをしに来たのかと錯覚してしまいました.一晩で15センチも積もったそうです.4月中旬の景色とは思えませんでした.
 バイキングの朝食後,バスで山梨県に移動しましたが,長野県内は市街地まで雪で真っ白という感じでした.このときも,スキー帰りのバスに乗っている気分でした.しかし,途中の車内から見た雪山がとてもきれいでした.
 お昼前に,山梨県の景勝地である昇仙峡に到着しました.ここの「ほうとう会館」でほうとうの製麺を体験するのが,この研修の定番行事となりつつあります.おそらく,学科のほとんどの教員が,このほうとう製麺の経験者だと思います.私は今回で3回目になるハズです.体験は2班に分かれて行うことにとり,私は後半の班になったので,先に見どころの一つである「仙娥滝(せんがたき)」を見学してきました.雪の影響で,これまでにない水量でした.
 そして,ここでは桜が満開でした.地面に昨日降った雪が残っているうえに,桃の花も咲いていて,色々な時期がごちゃごちゃしていました.朝は真冬の世界で,昼は春爛漫,なんだかおかしくなりそうでしたが,めったに見れない景色なので,運がよかったと言えるのかもしれません.
 ほうとうの製麺体験は,既に練ってあった生地を延ばして切るだけなのですが,これはこれで結構楽しむことができました.これまでの経験と直前の情報で,麺は5ミリぐらいの間隔で切ることと,切った麺はできるだけバラバラにほぐしてから持って帰ることを注意していました.前回は太く切りすぎて,味はよいのですが麺を食べているという感触が強すぎて,途中で飽きてしまったという失敗がありました.
 昼食に,ほうとう会館の二階でかぼちゃほうとうをいただいた後に帰路につき,16時半ごろ調布の大学に帰着しました.久しぶりに新入生研修に同行しましたが,正直,少し疲れました.今年の新入生,元気がある人とない人,考えていることをハッキリ口にする人,シャイな人,色々な人がいました.期待も心配もありますが,色々な人と積極的にコミュニケーションを取るようにして,有意義な大学生活を送って欲しいと思います.
 夕食は,体験で作って持って帰ってきたほうとう麺を使ったかぼちゃほうとうとなりました.お昼に食べたほうとうも,おいしかったのですが,我が家のほうとうは,煮込んだかぼちゃが溶けて真っ黄色になった汁が特徴です.作戦通りに切ってバラした麺もバッチリ決まって,おいしくいただきました.









2010年4月16日金曜日

新入生合宿研修初日

 今日は,新入生合宿研修で長野県白樺湖に来ています.
 午前10時に大学を出発し,途中,山梨のありあんすでしゃぶしゃぶの食べ放題の昼食となりました.私は何回かこの合宿研修に同行していますが,これまではジンギスカンでした.食べ放題ということで,味はどうかな?と思っていましたが,結構おいしくいただきました.
 午後は,野辺山宇宙電波観測所を見学しました.3名の職員の方が説明してくれましたが,皆さん,電通大の元職員やOBということで,熱心に説明してくれました.見学の途中から,雪が降り始めました.野辺山は高地ではありますが,4月中旬に氷点下の気温で雪まで降るとは思いませんでした.とっても寒かったです.しかし,説明してくれた人の話では,この観測所も20年前はカラッと乾燥していて,雪はほとんど積もらなかったし,夏の気温も28度ぐらいが最高だったそうですが,今では冬は1メートルぐらいの積雪があり,夏も30度を普通に越えるということです.温暖化の影響を実感しているということでした.
 夕方,宿泊する池の平ホテルに入りました.夕食は和洋中華なんでもありのバイキングでした.以前来た時は一人ひとり給仕されていましたが,これも予算削減の影響ということです.学生はたくさん食べられてうれしいと思いますが,中年の私にはあまりメリットはありませんね.と,言いながら食べ過ぎてしまいました.
 夕食後,学科ガイダンスがホテルの大広間で行われました.学科長のヴァーチュアル・キャンパスツアーとヴァーチュアル・ジョギングが大変な力作でした.特にジョギングコースの説明では,調布に住んでいる私でも知らないことがたくさん出てきて,新しい気付きがありました.

日本には,ゴムもある

 今日の午後,講演のために赤坂見付の日本ゴム協会に行ってきました.この協会の方とは面識はまったくありませんでしたが,私の金型の著作を見て,何か話して欲しいという依頼がありました.金型について話すのはおこがましいので,ゴム金型とも関連もあると思い,専門の5軸制御加工に関する話をさせていただきました.会場に入ったときに,離形剤についてずいぶんつっこんだ議論がされているのを聞いて,これは場違いかもしれないと思いましたが,話の途中で日本の製造業の問題点について話をしたのが良かったのか,講演後は5軸制御加工というより,金型や日本の製造業の未来について意見を求められました.ずいぶん意気投合して30分ぐらい対応しました.最後に,夕方からの懇親会への参加を例外的に打診されたのですが,次の会議の予定があったので,丁重にお断りするしかありませんでした.ゴムの人たちと飲みたかったなぁ.ものづくりに大変熱心な方ばかりでした.ゴム・エラストマーの金型に関する書籍をお土産にいただきました.じっくり,読ませていただきたいと思います.
 講演後,すぐに信濃町の日本機械学会に移動して,生産加工・工作機械部門の第1回 委員長・幹事会(拡大)に出席しました.到着したのは16時半を過ぎていて,私の担当の広報委員会に関する話は済んでいましたが,来年度の活動に向けて色々と検討しなければならないということを説明しました.今年度中に,ツイッターを使った広報を提案しようと画策しています.
 委員会後,恒例の懇親会となりました.今期で広報委員会幹事を退任する富山高専の先生を慰労するつもりだったのですが,講演の余韻もあって,勝手にがんがん飲んでしまいました.しかし,私が昨年部門のWebコンテンツの英語化することが出来たのは,IZ先生がニュースレター発行の仕事を一人で対応してくれたおかげです.本当に感謝しております.
 今日は思いもかけない出会いがありました.ありがたいことです.色々ときっかけがありますが,できるだけ対応したいと思わせる一日でありました.

2010年4月14日水曜日

森重研 Ver.2.0

 今日の午前中,今年度第1回目の輪講を行いました.今年度,私の研究室は総勢8名というコンパクトさですが,ただ一人昨年度のメンバーだったM2のMD君が就職試験で欠席だったため,出席した7名全員が新人でした.
 研究室活動の注意事項,役割分担の提案,本年度予算,卒研テーマ案,参加予定学会など,ひととおり説明した後,私は研究室が Version 2.0 の段階へ移行したことを告げました.
 Version 1.0 を立ち上げたのは,7年前に私が研究室を一人で運営することになったときです.私一人でやっていけるか正直不安でしたが,当時の学生達が本当にがんばってくれて,各学生が自律して動く雰囲気を作ることができました.以後,先輩達の姿勢を後輩達が踏襲し,年度が替わるごとにマイナーチェンジを重ね,今年度 Version 1.7 となる予定でしたが,先輩を継ぐべき後輩がいなくなった今,Version 1.0 当時の雰囲気を感じることが難しくなりました.存在しないものを継ぐことはできません.Version 1.0 を立ち上げたときの初心に帰り,新たに研究室を立ち上げるつもりでがんばりたいと思います.
 Version 1.x に参画してくれたOBの皆さん,君たちのおかげで7年間,すばらしい成果を出し続けることが出来ました.心より感謝いたします.
 これから Version 2.x に参画してくれる皆さん,全員ですばらしい研究室を作っていきましょう.

2010年4月13日火曜日

おやつを楽しむ

 私は,いつでも食べれるように,自室には何らかのおやつを常備しています.自分から言うのもなんですが,頭を使うと腹が減ります.頭は一番エネルギーを使うところですから,当然と言えば当然です.午前中に食べることも結構あります.ちなみに,休日に家に居るときには,おやつはほとんど食べませんし,昼食もシリアル程度で済ませます.
 問題は何を食べるかなのですが,通勤途中にある小島町のローソンで百円程度の菓子を買うことが多いです.安いけれど,これがなかなか侮れないコストパフォーマンスで,ミニドーナツみたいなものを買えば,二日くらいもつこともあります.最近,この安いお菓子に128円のラインナップが登場して,かなり充実してきました.しばらく色々と買ってみて,楽しみたいと思います.

2010年4月12日月曜日

正しい行動は 正しい思想から

 が,今日12日の本田宗一郎氏の日々のことばでした.「思想が正しくなければ正しい行動は生まれない。行動という刃物が、利器となるか、凶器となるかは、その行動を支える思想や理論が正しいか、正しくないかによって決まる。」という解説が左に添えられていました.
 これは,良否ではなくて,功罪に関することばですね.失敗して人に迷惑をかけることはあっても,その人に恨まれるようなことはめったにないと思います.人に恨まれるような行動には,必ず確信的な悪意が伴うものではないでしょうか.好んで人に恨まれる人はいないと思いますが,自分がどうにでもできるという権力を握ったとたんに,人は自分を客観的に見ることができなくなるのかも知れません.死ぬまで尊敬された権力者というのは,本当に少ないように思えます.
 小中学生のころに読んだ漫画に「バイオレンス特急」というものがあるのですが,その中で主人公が叫んだセリフに以下のようなものがありました.

 「権力は何のためにあるか知ってるか? 滅ぶためだよ!」

本当にそのとおりだと,ずっと思ってきました.他人の人生を左右できる権力なんて,持ちたくありません.自分が変ってしまうのが恐ろしい.もし,なにかを間違えてそのような権力を握ってしまったときは,銀河英雄伝説のキルヒアイスのような参謀を傍に置きたいです.
 なんだか,ずいぶん脱線してしまいました.最後に,誤解のないように言っておきますが,私が担当している講義で学生を落とすのは,認定機関の仕事としてであり,決して悪意があってやっているわけではありません.当たり前のことですが.

2010年4月11日日曜日

日本には,工作機械がある

 金曜日に出席した日本工作機械工業会の委員会で,日本の工作機械メーカーは,今後,どのような工作機械を作るべきかという議論がありました.今後,世界の工作機械は,低価格のものと高性能のものに二極化することが予想されます.
 低価格なものの生産は,中国が中心になります.中国は,昨年の工作機械生産額で世界第1位となりましたが,安い工作機械を大量に生産してあのような数字をたたき出しました.その額は,今後も伸びるものと予想されています.生産額1位の座は,しばらく中国のものとなりそうです.だからと言って,今後の日本は,このようなエントリーモデルといえる工作機械は作らなくてもよいかと言うと,そういうことにはならないと思います.事実,ファナックやブラザーが生産している小型の工作機械は,現在でも大量に中国に輸出されています.今後は,構造のモジュール化や最適化を図り,生産プロセスを再検討して効率化し,中国のものよりも安くて高性能な工作機械を生産する必要があります.中国より安いものというと難しく感じるかもしれませんが,日本の工作機械の構造や生産プロセスは,もう少しシンプルにできると思います.
 高性能な工作機械については,ドイツとの一騎打ちになると思います.先日の投稿でも主張したとおり,今後の機械加工は,工作機械,NC装置,CAMソフトウェアの要素技術を,いかに総合的に使いこなすかという方向に進むと考えています.しかし,この三つの要素技術のうち,工作機械本体については日本がやや優位だと思いますが,残りの二つについては,完全にドイツに負けていると判断せざるを得ません.例えば,ハイエンドの工作機械というと5軸制御工作機械を例にあげることができますが,現時点で高性能な5軸制御工作機械を求めると,必然的にドイツ製のものになってしまうという厳然たる事実があります.それは,ドイツがNC装置とCAMソフトウェアで,5軸制御加工のデファクトスタンダードという地位を確立しているからです.現在,日本の工作機械生産額は,ドイツに次いで第3位です.中国がエントリーモデルで1位となり,ドイツが高性能機で落ち込みを抑えた結果だと見られています.今年の生産額でドイツに敗れるようなことになれば,このような構図が続くものとみなされ,日本の工作機械の求心力が低下する可能性があります.今年はなんとしても第2位に浮上しなければなりません.
 ずいぶん悲観的なことを書いてしまいましたが,私は日本の工作機械生産額は今年で第2位に浮上すると確信しています.先週,多くの工作機械メーカーの人達と会話する機会があり,あきらめている方は一人もいませんでした.門外漢の私が一番悲観的だったようで,少し反省しています.日本の工作機械にも課題がたくさんあるのですから,それらを解決すればのびしろはまだまだ大きいと言えます.
 昨日,研究室のWebコンテンツを整理していて,私が研究室を一人で運営することになった2003年度から昨年度までの間に,私の研究室から工作機械を生産しているメーカーに就職した学生が,約10名もいることに気が付きました.なかには,課外活動や私の講義を通じて工作機械に興味を持ち,そのまま就職してくれた学生もいます.私には彼らの人生を左右した責任がある.日本の工作機械のために私が出来ることがあれば,何でも協力させていただくつもりです.