2010年1月21日木曜日

変化することは成長すること

 今日,精密機器メーカーに就職して金型の製造技術に携わっている卒業生がリクルーターとして来学し,夕方から一時間ほど懇談しました.そのときに彼が「最近では,他人の言うとおりにやってみよう,ということも多くなってきました」と言うのを聞いて,彼もずいぶん変わったな,と感慨深く思いました.人が変わるというとネガティブに取られがちですが,私は悲観したわけではなく,反対に,とてもよいことだと思いました.と言うのも,学生だったころの彼は大変頑固な性格で,本当に納得しないと人の言うとおりにやるなんてことは絶対になかったのです.実力はあったので,学生としてはまったく問題はなかったのですが,正直,少しもったいないな,と感じていました.
 週刊東洋経済 2009.10.24 に掲載されていたコラム「対話力」入門 に書いてあったことを思い出しました.以前の投稿 m-shige's log: 本当に強い大学2009 で少し書きましたが,このコラムの内容にはとても感銘を受け,そのページをコピーして,部屋の書棚にマグネットで貼り付けてあります.うまく要約できそうもないので,一部抜粋させていただきます.

「妥協」を否定的にとらえてはいけない
 対話においても「変わること」は重要である.対話とは,戦わないコミュニケーションであり,互いの正統性を認めることによって歩み寄りを目指すコミュニケーションである.自分の主張を通すことばかりを考えない.相手の主張を批判することばかりを考えない.まったく価値観の異なる相手の主張についても,うなずけることがあれば素直にうなずくのが対話的な態度である.どうしても納得できないことがあれば,納得するまで質問を続けるのが対話的な態度である.そのうえで妥協点を見出していく.


 このコラムは,本当は全文読んでいただきたいぐらいです.人の考えを受け入れるということは,人の考えを自分のものにするということです.独りでできることは,本当に限られていると思います.

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