2011年1月20日木曜日

日本工作機械工業会 第2回先端ソフトウェア技術調査研究専門委員会

に出席するため,今日は朝から東京芝公園の機械振興会館に行ってきました.
 今年度の活動計画は,昨年度までの活動で取りまとめたソフトウェア技術の将来像から,業界として今後重点的に取り組むべき技術課題を抽出することとしています.抽出された技術課題の中から,来年度以降の活動テーマを選定し,取り組んでいくことになります.今日の委員会では,取り組むべき具体的な課題を決めることとなりました.
 しかし,企業委員の思惑も千差万別なので,業界全体で一枚岩となって積極的に取り組める課題と言われても,なかなか出てくるものではありません.こういう時は,私のようにニュートラルな立場の大学人の出番のハズなのですが,今週参加した委員会での議論とごちゃごちゃになって,議論を発散させるような発言を連発してしまい,委員長のS先生に迷惑をかけてしまいました.
 結局,切削力,加工誤差,びびり振動,加工面(粗さ),面品位,工具摩耗・寿命,加工時間,加工コストなどを,実用的な時間と精度で見積もることができる 「加工プロセスシミュレーション」 や,ソリッドモデルのデータだけではなく,計測データなどから生成したSTLデータを,シミュレーションやFEMなどに活用することができる 「ハイブリッドデータCAD/CAM」 などが候補として挙げられました.どちらの課題にも言えることですが,ある問題に多数で取り組もうとすると,それぞれの要素技術の間を取り持つインタフェースが重要となります.どちらの課題も,仕事量は多くなりそうです.
 今日の議論の中では,STEPはともかくとして,最近注目しているSTLデータを利用したCAMが,なかなか普及しない原因について,企業委員の方々から生々しい意見を聞くことができ,実際の現場における理想と現実の大きなギャップを知ることになりました.やはり,得手不得手を認識して利用することが肝要のようです.STLデータの利点は,B-repsデータでは表現することが難しい形状を扱えることですね.自分で言うのもなんですが,最近,かなり物知りになってきたような気がします.だてに色々な委員会に参加して,もまれているわけではありません.

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