今日は,ヤマザキマザックの INTEGREX 200-ⅢST を見学するために,学部生のMD君と二人で東小金井の農工大に行ってきました.
私は学生のころから,5軸制御加工のための工具経路生成手法の研究に取り組んできました.この研究は,工作物と工具の干渉回避から始まり,工具姿勢変化の最適化や機械運動の考慮など,加工によいと考えられる機能を加えながら拡張を重ねてきました.そして現在,おそらく付け加えるべき最後の機能になると思われる,機械構造の干渉を考慮した経路生成に取り組んでいます.現在の5軸制御加工用のCAMは,工具と工作物の干渉を回避する機能は一般的になりつつありますが,機械構造を考慮して計算するものはありません.機械構造の干渉は,加工シミュレータなどで機械の動きを確認すれば事前に把握することはできますが,このような工具経路を修正する手段がなく,干渉することが分かっても,どうすることもできないというのが現状です.経路を計算する段階で,機械構造干渉を考慮する必要があります.
昨年度の研究で,学部生のUEZ君が研究室所有のテーブルチルト型マシニングセンタを対象にして,一通りの処理を行うプログラムを作ってくれました.ただ,彼のプログラムは一つの機械用のスペシャル版なので,もっと汎用的なものにするために,色々な構造の機械に適用してみようと考えました.そこで,他大学の機械を使わせてもらおうと知り合いの農工大の先生にお願いして,今日,実際に機械を見せてもらうことになったというわけです.
最近導入が進んでいる複合加工機は,テーブル側とスピンドル側にそれぞれ一つずつの回転軸を持つものが多く,INTEGREXもそのような軸構成を持った複合加工機です.実は,私自身はこのような軸構成の機械は使ったことがありません.最初は,これまで使ってきたプログラムがちゃんと使えるかどうか確認するところから始めることになりそうです.自分のところの機械ではないですが,使ったことがない機械を動かすことを考えるだけでも,わくわくしてきます.
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