2009年8月29日土曜日

日本のものづくりの行方

 私は,来年改組後の新学科で,6学期の製図教育を担当することになっています.製図教育といっても,3次元CADを使った設計をやる予定です.今担当している学生実験ではCAMというテーマで,一週目に3次元CADを使って定義した形状を,二週目でCAMでNCデータを計算し,NC工作機械で加工する,ということをしていますが,さすがに駆け足過ぎて,とりあえずCAD/CAMとNC工作機械を体験するだけで精一杯でした.マシンデザイン2では,3次元CADをじっくり練習させた後に,CAMだけでなく,CAEやRPなど,3次元CADを利用したものづくりについて触れてもらおうと考えています.
 設計の仕事は,海外に流出しつつあります.これは,人件費が安いためです.きちんとした設計作業は予想以上に時間がかかるため,日本のエンジニアより時間がかかっても,人件費の安い外国で現地のエンジニアにとことん残業させた方がはるかに安いのです.日本のエンジニアに力がなかったからではありません.会社の都合なのです.でも,実務をこなしているうちに実力をつけた海外のエンジニアが,日本のエンジニアと比較しても遜色のない仕事をするようになってきました.これがグローバル化と言うものなのでしょうか?日本の若いエンジニアは,何も教えてもらっていないのに,無能呼ばわりされて大変ですね.

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