2010年9月7日火曜日

さらば,GN107(1)

 明日から2日間をかけて,学科実験実習工場の1階にある牧野フライス製作所製6軸制御大型マシニングセンタGN107-A30を廃棄することになりました.
 本学では鋼材の同時5軸制御加工ができる唯一の工作機械でした.主軸を位置決め軸とすることが可能で,非回転工具の位置・姿勢を制御した同時6軸制御加工が可能です.定価では,総額で一億円をかるく超えていたと思われます.
 しかし,ここ数年は研究室でも利用頻度が激減していました.理由は様々ですが,一番の原因は,最近の専用5軸制御マシニングセンタと比較して,精度や速度などの機械的な性能が,話にならないほど低くなってしまったことがあげられます.また,最近の5軸制御マシニングセンタのNC装置は,工具先端点制御という機能を具備しているのが当たり前なのですが,この機械に搭載されているNC装置は,この工具先端点制御に対応することができません.つまり,研究室の研究で加工の精度や効率を考慮して,どんなによい5軸制御加工用工具経路を生成しても,この機械ではそれを証明することができないということです.
 さらに追い打ちをかけるように,今年度より機械を設置しているスペースが課金されることになり,機械を使わないで置いているだけでも年間15万円,学科に支払わなくてはならなくなりました.もちろん,バリバリ使ってガンガン成果を出しているのならば大した出費ではないのですが,1年間で数週間という稼働率では,維持費やメンテナンスの手間などを考えれば,あまりうまくありません.関東にある工作機械メーカーにお願いして,最新の機械を使わせてもらった方がよいだろうという結論に至りました.
 今日は,明日からの作業の下準備ということで,研究室総出で水溶性クーラントの回収作業を行いました.最近,ほとんど使っていなかった上に,メンテナンスもすっかりサボっていたため,クーラントはすっかりヘドロ化して悪臭を放っていました.回収作業は大変な苦痛を伴いましたが,学生たちの献身的な協力のおかげで,20リットルのポリタンクで20個ちかいクーラントを2時間で回収することができました.
 明日からは専門の業者がやって来て,本格的な撤去作業が始まります.明後日までの2日間,工場1階にある機械は利用することができなくなります.学内の利用者の皆様には大変ご迷惑をおかけすることになりますが,ご理解,ご協力のほど,よろしくお願いいたします.

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