2011年5月31日火曜日

平成22事業年度 マザック高度生産システム研究助成対象者の発表会ならびにマザック高度生産システム論文賞の表彰式

に出席するために,今日はヤマザキマザック美濃加茂製作所に行って来ました.宿泊した東横イン名古屋駅桜通口の朝食の味噌汁は,やはり赤味噌でした.名古屋の食文化をさりげなくアピールしていますね.9時まで部屋でバリバリ仕事しました.ホテルで缶詰になる作家さんの気持ちが分かるような気がしました.
 名鉄名古屋駅から犬山線快速特急に乗って犬山へ.そこから送迎バスで30分,会場到着後,11時から式典が開始されました.
 審査委員会報告で,最終的な審査が行われたのが震災の3日前だったことを知りました.助成や表彰を取りやめても仕方ないところですが,当初の計画どおり実施されたことに対しては,研究助成者の一人として感謝の言葉しかありません.いただいた助成金は,有効に活用させていただきます.
 屋外での記念撮影の後,バスで「クレセントバレーカントリークラブ美濃加茂」に移動し,コンペルームで交流会となりました.このゴルフ場に来たのは2回目ですが,何回かラウンドをこなした今になって見回してみると,このゴルフ場の素晴らしさがよく分かります.最近亡くなった「スペインの星」セベ・バレステロス氏が設計と監修をしたということです.一度はここでラウンドしてみたいなぁ.
 交流会後,美濃加茂製作所に戻り,開発事業部の方の講演「マザックの最新IT技術開発」を聴講しました.印象に残ったのは,冒頭の工作機械世界シェアの話です.現在のトップは中国の30%強,日本は20%強です.しかし,まだ日本が1位で,中国が3位ぐらいだった2003年と比較してみると,日本の生産額はあまり変化していないんですね.むしろ,中国の生産額が異常なほどに伸びています.世界の工場としての地位を確立した中国において,数多くの工作機械が求められるようになり,輸入するだけでなく,中国国内でも工作機械が増産された結果ということです.いわゆる「地産地消」の形ですから,これは強いですね.日本で生産される工作機械の7割は,輸出向けということですから.
 最後に,工場見学となりました.ショールームの複合加工機で,「インテリジェントセイフティシールド(自動操作干渉チェック)」を体験しました.これは,段取り時など手動で軸移動を行う際に,機械動作と同期してNC装置内部の3Dモデルを移動させて,バックグラウンドで機械干渉チェックを行い,衝突を感知した場合は,即時機械を停止するという機能です.今では,どの工作機械メーカーも,自社の複合加工機に装備しています.些細な経験ですが,実際に経験できてよかったと思っています.
 工場は,昨年の9月にも見せていただいたのですが,その時よりも大分生産台数が増えているように感じました.輸出に関しては,震災の影響はあまり無いのかもしれません.しかし,見学後に取締役の方から聞いた話では,自動車と同様,工作機械も部品サプライヤー企業が被災した影響で,これから入手が困難になりそうな部品があるそうです.特に,電解コンデンサの主要メーカーが被災した影響で,様々な電子部品の供給が滞りがちだそうです.また,高級鋳鉄であるダクタイル鋳鉄の生産には,自動車メーカーから提供される鉄くずが必要なのですが,自動車の国内生産量が激減しているため,鉄くずも足りないという状態で,やむなく新品の鉄を代わりに使っているとのこと.日本の製造業のサプライチェーンは,本当に複雑にからみ合っているのですね.
 この式典に出席させていただいたのは,今回でまだ2回目なのですが,色々と勉強になりました.やはり,工作機械の工場は面白いです.ヤマザキマザック関係者の皆様,本日は大変お世話になりました.これからも研究助成者として招待していただけるよう,日々の教育・研究活動に精一杯努める所存ですので,御指導御鞭撻のほど,よろしくお願いいたします.

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