2011年7月4日月曜日

カントとドラッカーにおける自由

 昨日,週間ダイヤモンドのドラッカー特集で感銘を受けた経営哲学の記事を紹介しました.⇒ m-shige's log: 経営者に求められる自律と挑戦
今日も引き続き,同じ記事にあった「自律的な自由の表現 そのためのマネジメント」の内容を紹介したいと思います.

 哲学者イマヌエル・カントは,人は生まれながらにして自由ではないが,自由意志,意志の自律に基づく 「自律的行動の自由」 を持つことができるとし,「他律的行動」と「自律的行動」による 「二元論的人間観」 に立っているそうです.

「他律的行動」 とは,お金,モノ,名声などの外的要因が刺激となっている「功利主義的行動」です.動物の行動や機械の動きと同じです.

「自律的行動」 とは,誰に言われるでもなく自ら実行する能力,つまり,「実践理性」に基づく行動です.まったく新しいことに挑戦したり,行動した後に後悔したりするのは,この自律的行動の表れだそうです.人間独自のものと言えます.

「ただし、自律的行動によって失敗したとき、その原因は他ならぬ自分にあります。それゆえ、自由な行為には常に責任が伴う。「自由と責任は対概念」 だとカントは考えました。自由とは無制約になんでもできるということではなく、責任を伴うという意味で道徳的な行為でもあるのです。

 このKOGJ大学の先生の解説,素晴らしいですね.ドラッカーも,次のように述べているそうです.

「自由とは開放ではない。責任である。」

「自らの行為、および社会の行為について自ら意思決定を行うことである。そしてそれは意思決定に責任を負うことである。」

 自由とは責任である.
 責任のない自由は,趣味である.
 自分の趣味に他人の資産を使うことは,罪である.

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