今日の午後,ある会社の方が研究室を訪問しました.当初は,単に研究室を見学しに来たのだと思っていたのですが,見学した後に話を伺ってみると,どうやら相談したいことがあったようです.具体的なことはお話しできませんが,課題を聞いた時,すぐに市販されているシステムを思い出して,「あのメーカーのあれや,あのメーカーのあれでは,ダメなんですか?」と確認してみると,とっくに試してみたのだが,精度も速度も不十分で,期待しているものには程遠いということです.既に完成して実用段階にあると思っていたものが,実はまだまだ技術的に不十分だという事実を聞いて,期待されているレベルの高さとその妥当性,それを実現することの難しさを痛感しました.
結論として,現状,課題,目標などについて,もう少し詳しく聞かないと分からないが,私の研究室で市販のシステムと同じ方針で進めても,市販のシステムを超えるものはできないだろうということ,もし,何かしら提案することができても,研究とは程遠い,泥臭いものになるかもしれないということを,正直に申し上げました.
大学と会社が共同研究するときは,お互いにWin-Winの関係になるようにしないといけません.大学の研究は,細かいところまで突き詰めることが大事ですが,会社側としては,とにかく結果が出なければなりません.大学と企業の取り組み方は,相容れないものが多いと思います.
今回の相談内容も,おそらく,私の研究室よりも専門的に対応できる研究室が,学内外にたくさんあると思います.もちろん,自分のところでも検討はしてみるつもりですが,分野的に関係がありそうな学内外の先生にも相談して,より適切な相談窓口がないか確認してみようと思っています.最終的に会社の方が,森重に相談してよかった,と思ってくれればよいのではないでしょうか.
2011年7月26日火曜日
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