2013年7月3日水曜日

平成25年度精密工学会IMS専門委員会第1回委員会

 平成25年7月2日火曜日は,「平成25年度精密工学会総合生産システム専門委員会第1回委員会」 に参加して,岡山県にある二つの企業を見学しました.

先ず,午前中に見学したのは,JR赤穂線邑久(おく)駅からタクシーで10分ほどのところにある 「株式会社 岡山村田製作所」,セラミックの電気的特製を利用した電子部品のメーカとして有名な 「村田製作所」 の生産拠点の一つで,セラミック原料,積層セラミックコンデンサ,多層デバイスの製造を手掛けています.今日は,多層デバイスの工程を見学させていただきました.

①セラミックのシートをカット⇒ ②穴あけ(100μm)⇒ ③穴に銅ペーストを充填⇒ ④銅ペーストで内部電極を印刷⇒ ⑤積重ね⇒ ⑥外形カット⇒ ⑦圧着(100t)⇒ ⑧カット
①焼成(約1,000℃)⇒ ②めっき⇒ ③マウント工程⇒ ④樹脂を塗布/研削/印字/溝入れ⇒ ⑤溝入れ|1次ブレイク⇒ ⑥2次ブレイク⇒ ⑦特性選別/テーピング

 村田製作所と言えば,現物を見ても,模倣できない製品を作ることで有名ですが,その秘訣は,①原料の調達から調合,製造まで一貫生産,②生産設備の自社開発,ということです.要するに,外部に流出する余地のない生産体制を確立しているということです.特に,材料を独自開発していることは大きなアドバンテージですね.そして,「模倣されるよりも早く新製品を開発すればよい」 という言葉には,正直,シビレました.やはり,この企業は,一味も二味も違います.

 続いて午後は,JR山陽本線上道(じょうとう)駅より徒歩10分ほどのところにある 「ナカシマプロペラ株式会社」 を見学しました.途中,上道駅前にあるイタリアンの店でランチとなりました.
タコの入ったペペロンチーノ風パスタ
ナカシマプロペラですが,まだ修士課程の学生だった,おそらく2004年の秋に,見学したことがあります.当時は,フルバックのカッターを同時5軸制御して大きな舶用プロペラを削っている様子や,職人らしき人がサンダーで仕上げ加工をしている様子など,豪快な加工が強く印象に残りました.工程は,ほとんど変わっていないようでしたが,今日の見学では,加工の様子を見る機会はなく,意外に静かな印象でした.船の仕事自体が減少しているのかもしれません.
人工関節,骨接合材料等の医療機器の開発,製造,販売を手がけている 「ナカシマメディカル株式会社」 も見学しました.舶用推進機器のメーカーが,なぜ,医工学の分野に? という質問が多いとのことですが,訪問した医師の方からの,「人工関節は曲面が多いから,曲面加工を得意としているなら,やってみては?」 という何気ない提案がきっかけだったということです.前回訪問したときにも,人工関節の加工を見せてもらった記憶はあるのですが,どのような取り組みも,本当に事業化するためには,長い年月が必要なのだということを感じました.

 はじめての訪問と,約20年ぶりの再訪,どちらも大変勉強になりました.中国地方までの移動は大変でしたが,参加してよかったと思っています.

夏の涼風御膳(なつのりょうふうごぜん)

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