2008年10月22日水曜日

力覚呈示装置を利用した工作機械操作インターフェイス(1)

 今日はミーティングがあったこともありますが,研究室で取り組んでいる研究テーマの中から「力覚呈示装置を利用した工作機械操作インターフェイス」について書きます.
 この研究は,工作機械を人の思うまま,より簡単に操作するために,現行の機械ではボタンやスイッチ,ハンドルなどで構成されている操作インターフェイスを,バーチャルリアリティの分野で使われている力覚呈示装置に替えてみよう,というものです.
 海外の研究に参考になるものがあり,それを見て「もっとこうしたらいいのに」と考えていたのですが,私の研究室で手掛けることになったのは,2004年度にバーチャルリアリティの研究室が第一希望だったK君が,第ニ希望で私の研究室に配属されてきたことがきっかけです.彼はバーチャルリアリティの研究によほど未練があったようで,見るからにモチベーションが低下していたので,じゃあ,やらせてみるか,ということになりました.
 まず,開発環境の導入として,一番こなれたペンタイプの装置を購入することにしたのですが,最初は70万円を超える見積りで,ちょっとひるんでしまいました.しかし,もじもじと見積りを重ねているうちに,アカデミックディスカウントやらキャンペーンやらで,最終的に17万円になってしまいました.今でもこの装置は販売されていますが,廉価タイプのものでもこんなに安くありません.おかげで残った予算をグラフィックボードなどの計算機のパーツに投入することができました.とてもラッキーだったと思います.
 何も知らない学部生が一人で取り組むのは大変だろうと,K君と友達でK君と一緒に私の研究室に配属されたF君の二人で担当してもらいましたが,二人ともおもちゃを与えられた子供のように,どんどん機能を実装していきました.正直,卒研でここまで進むとは思っていませんでした.本当によくがんばってくれました.
 でも,結局K君はバーチャルリアリティを専門的に研究しているT工大の研究室に行ってしまいました.F君も「本当は精密加工がやりたかった」ということで,同じT工大でMEMSなどを研究している研究室に行ってしまいました.せっかく立ち上げたテーマも,担当者が誰もいなくなってしまいました.
(つづく)

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