2010年3月19日金曜日

第17回 型技術シンポジウム

に参加するために,今日の午後は芝浦工業大学 芝浦キャンパスに行ってきました.テーマは「グローバル生産に向けた金型づくりについて考える」で,海外で金型を生産している自動車メーカー2社,金型メーカー4社の話題提供があり,最後にパネルディスカッションという内容でした.
 自動車メーカーの方は,海外の全ての生産拠点で,同じ品質の成形ができる金型を同時に立ち上げる体制について,主にプレス金型を中心に話をされていました.海外では,入手できる材料の性質が大分異なるようです.日本と同じデータを使い,現地で金型を作っても,成形がうまくいかないことがあるということです.鋳物や鋼板/鋼材など,素材の現地化が不可欠です.海外でものづくりをすることの難しさを感じました.
 金型メーカーの方の話で印象に残ったのは,人材に現地化に関する話でした.中国へ移転したメーカーの話がほとんどでしたが,金型メーカーが中国に移転したのは,中国でモノが大量に生産されるようになり,金型の仕事が中国に集中したためです.拠点を海外に移転しても,日本から社員を派遣したら,余計に費用がかかってしまい,うまくありません.当然,現地で採用した社員を育てることになります.当たり前のことなのですが,海外拠点の現地採用の人材も,そのメーカーの正式な社員です.日本の社員との違いはありません.中国との共存に対する各メーカーの意識の高さを感じました.
 最後のパネルディスカッションで,これから中国と共存していくか,それとも敵対していくか,という議論がありましたが,中国とは共存の道を進むべきだという意見が多かったような気がします.なんといっても,中国は日本の最大のお客さまという,厳然とした事実があります.最後に,東京大学名誉教授のNG先生が,日本のメーカーが中国で金型を作るということよりも,日本で金型を使った生産がなくなることの方が問題だとコメントされていましたが,まったくそのとおりだと思いました.
 忙しい時期に企画され,参加するかどうか迷ったシンポジウムでしたが,大変有意義な内容でした.参加して本当によかったと思っています.

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