2010年6月23日水曜日

設計・製造ソリューション展,今年から3D&バーチャルリアリティ展,機械要素技術展

 今日から開催された,設計・製造ソリューション展,今年から3D&バーチャルリアリティ展,機械要素技術展を見学するために,東京ビッグサイトに行って来ました.
 まず,最初に向かったのは,最近,ツイッターでつぶやかれて気になっていたデスクトップ型3Dプリンタ「V flash」です.なんと本体160万円以下,初期導入費用212万円という低価格.現在,学科で使っているものの1/3のお値段です.おまけに,積層分解能0.1mmということで,ほとんど各層の段差は気になりませんでした.写真のとおり,この装置は成形品を吊り下げるように造形します.サポートは下から支えるのではなく,上から吊り上げるように,最小限,成形されます.サポート材は,成形品と同じものを使っていました.しかし,不利な値段を書くわけにはいきませんが,樹脂やサポートなどの運用費用は高い!もっと,気楽に使えるようにして欲しいです.
 次に気になったのは,低価格のミーリングマシン(製品名は,高性能モデリングマシン)です.小型で省スペースで,量産品を切削するための機械です.このメーカーの特徴は,なんといっても機械だけでなく,NC装置まで自分のところで開発しているという点です.研究者としては,この会社のように頼めばなんとかしてくれそうなところには好感を持ちます.それに,5軸加工仕様の機械も存在しているとのこと.後日,正式にコンタクトさせていただきたいと思います.
 午後からは,会議棟で開催されたdrinami先生の特別講演「よくわかるバーチャル リアリティ入門」を聴講しました.drinami先生とは,これまでにも研究について議論する機会がありましたが,きちんとした講演として聴いてみると,内容が整理されて,よい復習になりました.初めて聴いた情報もあったので,大変有意義な講演でした.
 特別講演の後,展示会場に戻って見学を再開しました.ここで驚いたのは,また,積層造形技術.ドイツ製のもので,ずいぶん前から金属材料を利用した造形では定評のある装置でしたが,セラミックスだけでなく,インコネルやチタンまで造形できるようになっていることを知って,大変驚きました.もしかしたら,私が時代遅れなのかも知れませんが… おまけに,そのまま部品として使ってもよいのではないかというほどの出来ばえ.積層造形の未来は明るいと感じました.
 それにしても,私の専門とする5軸制御加工でも,工作機械やCAMソフトウェアはドイツ製のものが主流なのに,今日,見学して感銘を受けた積層造形技術もドイツ製のものばかり.こんなんで,いいんですかね? これからは海外製のハードウェアやソフトウェアを使い尽くす技術でしか,日本のものづくりはアピールできないのでしょうか? なんだか,悔しいですね.
 最後に,ツイッターで知り合った新潟の型屋さんのブースで unosuke さんに見せてもらった世界に唯一つの腕時計(120万円?)に,これからの日本の製造業のあり方の欠片を見た気分がしました.
 今年の設計・製造ソリューション展+2,ツイッターのおかげだと思いますが,今までに無いほど有意義なものになりました.

1 件のコメント:

ucchan さんのコメント...

長時間お付き合いいただきましてありがとうございました。
日本のモノづくりの問題点、浮き彫りになってますねぇ。
ドイツのモノづくりとの違いがありますね。
しかし使いこなしの部分では日本に分があると思います。
とはいえ、現場の使いこなしをビジネス化する部分で、フォローが無いようなところが問題なのですかねぇ。
モノづくり現場から遠い人の、モノづくりに対する接し方が、違うのかもしれないですね。
そういう方々へのアピールが足りないのか、それもムダなのか。
とはいえ問題意識のある人たちだけでも、なんとか前向きに取り組んでいきましょう。
きっと仲間はいますよね。