2010年6月9日水曜日

「もしドラ」

の略称で最近話題となっている本「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を,先ほど読了しました.この本は,昨年末に発行されたということですが,4月の新入生学外研修の時に,週間ダイヤモンドのドラッカー特集を読むまでは,ハッキリ言って眼中にありませんでした.表紙の絵を見て,ライトノベルだと勘違いしていたのです.特集で本の主旨を正しく認識して興味を持ち,ずいぶん前に購入していたのですが,なかなか読む時間を取ることができず,今週の日曜日の夜から三日かけて読みました.ドラッカーのマネジメントは少し堅い文章なので,エッセンシャル版でもなかなか読みきるのは大変だと思いますが,この小説のように場面場面で引用される形で書いてあると,読みやすいだけでなく,その意味もよく理解することができると感じます.
 色々と示唆深いことが多く,興味深く読みましたが,私が一番感銘を受けたのは204ページにある,甲子園出場を目指して野球部のマネージャーをしてる主人公の友達が,結果ではなくプロセスも大事だと言ったことに対して,主人公がマネジメントからの引用した組織構造に関する提言です.

 組織構造は、組織のなかの人間や組織単位の関心を、努力ではなく成果に向けさせなくてはならない。成果こそ、すべての活動の目的である。専門家や能吏としてでなくマネジャーとして行動する者の数、管理の技能や専門的な能力によってでなく、成果や業績によって評価される者の数を可能なかぎり増やさなくてはならない。
 成果よりも努力が重要であり、職人的な技能それ自体が目的であるかのごとき錯覚を生んではならない。仕事のためではなく成果のために働き、贅肉ではなく力をつけ、過去ではなく未来のために働く能力と意欲を生み出さなければならない。


そして主人公が,マネジャーの立場の人間が,結果ではなくプロセスを大切にするのは,真摯さに欠ける,と言う.なんだか,泣けてきました.
ドラッカーの考えを広く紹介することになった,この本の著者の方の仕事に敬意を表します.

 真摯であれ.神が見ている.

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