2010年7月15日木曜日

石もダイヤも みな宝

が,今日15日の本田宗一郎氏の日々のことばでした.「石は石でいい。ダイヤはダイヤでいい。大事なのは、その特長を早くつかみ、適材適所に配置することである。そうすれば、石もダイヤもみな、かけがえのない宝になる。」 という解説が添えられていました.
 激しく同意であります.例えば,研究室には毎年色々な個性を持った学生が配属されてきます.これまでに,似ているということはありましたが,まったく同じ性格や個性を持った学生に出会ったことはないと断言できます.元気のある人とない人,成績のいい人と悪い人,研究する人としない人,私と合う人と合わない人,色々な学生と最長で3年間,一緒に活動してきました.これまでに会社の人などから 「この学生がもう一人いたらなぁと,思うことはありませんか?」 と尋ねられたことがありますが,そのように思ったことは一度もありません.どんな学生でも,1人はいいけれど,2人はいらないというのが正直な気持ちです.それだけ,どの学生も個性的だったということでしょう.
 勉強ができないとか,研究する気持ちになれないとか,彼女と遊びたいとか,アルバイトしなければ学費が払えないとか,色々な理由で研究成果がいまひとつだった学生がいました.しかし,何も褒めるところがないという学生は一人もいませんでした.ピアノが玄人はだしだとか,料理がめちゃくちゃうまいとか,何かしら私を驚愕させる特技を披露してくれました.そういう学生の存在が,その年度の研究室の雰囲気を形成する一部になっていたということは,疑いようのない事実です.彼らを排除していたら,研究室は少し,つまらないものになっていたでしょう.まさに,「石もダイヤも みな宝」です.石に例えられた学生は,怒るかもしれませんが…
 ただし,誤解のないように断っておきますが,見捨てないということは,あまやかすということではなく,しっかりやらせるということです.見捨てられた方が楽かもしれませんよ.

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