2010年11月4日木曜日

JIMTOF2010を振り返って

 一昨日閉幕したJIMTOF2010,来場者数は13万8千人(重複有)で,前回の2割弱減だったということです.私が会場で感じたことについて,何回か投稿したいと思います.
 私は,6日間の会期中,学生向け企画のために5日会場にいましたが,企業のブースを見学したのは3時間だけでした.それも,東地区だけです.そのため,断言することはできないのですが,今回出展されていた工作機械は,小型で安価なものと,大型のものの二種類が多かったように感じました.
 小さな機械は,中国向け輸出などのボリュームゾーンを狙ったものだと考えられます.知り合いの中小企業の方にとっては,喜ばしいことのようでした.大きな機械は,航空機やエネルギー関係などの重厚長大産業をターゲットにした高付加価値機種と思われます.中型の機械は,これまでに日本の工作機械メーカが最も力を入れて,多くの機種を投入してきましたが,収益面ではあまりうまみがないようです.また,例年は高速化や複合化などを目的とした新技術がいくつか見られるのですが,今回は目立った新技術を見ることができませんでした.少し,寂しさを感じました.
 企画展示のブースから客層を注意深く観察していましたが,外国からの来場者が少ないように感じました.特に,中国,韓国,台湾からの見学者は,想像よりもはるかに少なく,正直,あまり気になりませんでした.海外の工作機械見本市を見学したことがある人に話を聞くと,中国や韓国の展示会には,多くの中国や韓国の工作機械メーカが出展して,非常に活気があるそうです.また,ヨーロッパのメーカからの出展も,JIMTOFよりも多いそうです.日本のユーザは,日本の工作機械しか買わないだろうと,海外のメーカから見切られているのかもしれません.このままでは,JIMTOFは国際見本市ではなくなってしまうのではないかと危惧しています.

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