本日の午後,一人の学生に対して,学科所有のマシニングセンタを単独で使用することを許可するための実技試験を行いました.試験項目は以下のとおりです.
①電源ON
②原点復帰
③工具の準備
④工作物の取り付け
⑤原点設定
・ワーク座標系(G54)の設定
・タッチプローブやタッチセンサを使った計測
⑥NCデータの確認
・NCシミュレータの利用
・エアカット
⑦加工開始時の振る舞い
・クーラント位置
・シングルブロックの利用
⑧加工中の振る舞い
・問題の認識と対応
⑨加工後の考察
⑩機械の掃除
⑪電源OFF
多く感じるかもしれませんが,実際はこれでも少ないくらいです.使用工具と加工条件を決める時な考え方や,工作物を固定するための治具の準備など,本当に加工を理解していなければ対応できない内容についても確認しておきたいところなのですが,限られた時間ではそれもできません.
今日受験した学生は合格となりました.1時間半,作業する様子をじっと見ていました.ゆっくりでしたが作業は確実で,間違いがあっても自分で気付いて修正できていました.また,原点を測定しやすいように段取りするなど,独自の工夫も見られました.今後は好きなように使えるので,どんどん使えば,まだまだ伸びるでしょう.
工作機械の操作では,スピードよりも確実性が求められます.どんなに早く動いても,間違いを犯したら何にもなりません.高価な工作機械を壊してしまうだけでなく,最悪の場合は大怪我をする恐れもあります.実際,熟練作業者の動きは速いのではなく,動きに無駄がないのです.無駄がないから作業もシンプルになり,ミスも減ることになります.無駄のない動きを身につけるには,正しい作業を淡々とこなすようにするのが一番の近道です.
これで単独運転できる在学生は3人になりました.まだまだ少ないですね.もっと増えるように期待します.
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