2012年4月16日月曜日

「相乗」について考える

一般に「相乗効果」と言うと,良いことしかないような印象がありますが,私は「負の相乗効果」というものもあると思います.「岩波書店 広辞苑 第六版」によると,「相乗」の意味は以下のようになっています.

そう‐じょう【相乗】
①2個以上の数を掛け合わせること。
②複数の要因が重なり、掛け合わせたほどの大きさになること。「―作用」

やはり,物事が好転するという意味合いはないようですね.例えば,複数の人間が協力することを考えてみましょう.一人前の人間を1.0とします.

1.0の人間二人の相乗は1.0となり,何も変わりません.
1.1の人間二人の相乗は1.21となり,一人分の能力を上回ります.
0.9の人間二人の相乗は0.81となり,一人分の能力を下回ります.

 もちろん,なんでも一人前にできるという万能な人間なんているハズありませんから,お互いに足りないところを補い合うということも重要だと思います.しかし,一人前に成長する気がなく,最初から人の助けをあてにしているような人間がどれだけ集まっても,組織としての成長はありえないのではないでしょうか.一人前以上の人間が集まって行動してこそ,初めて「正の相乗効果」が発動するのだと信じます.

 というような話を,先週の研究室ガイダンスの時に研究室の学生にして,在室中に一人前の力を身に付けるように諭しました.相変わらず,暑苦しい話で,すいません…

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