2012年6月18日月曜日

転学科について

 今日の一限は,担当教員として1年生の「キャリア教育演習」に参加しました.先週のオープンラボを見学した感想を発表する時間がありましたが,私の研究室が一番面白かったと言ってくれる学生も何人かいて,ちょっと嬉しかったです⇒ 「m-shige's log: 第8回 産学官連携DAY in 電通大」.

 今日の発表でも気になったのですが,入学時に希望する学科に入れなかったので,転学科を考えているという学生がかなりいるようです.オープンラボの時にも,知能機械工学科を希望したが,今の学科で入学するしかなかったという話を聞きました.自分の所属する学科に人気があるのは,嬉しいことでもありますが,ちょっと複雑な気持ちです.

 全員が発表した後にコメントを求められたので,話の腰を折るようで申し訳ない気がしましたが,早めに知っておいた方がよいだろうと思い,現実を伝えました.転学科するためには,学科の主席に値する成績が不可欠であること,15年という短い期間ですが,私の教員としてのキャリアの中で,転学科を認められた学生の記憶がないこと.

 熱意だけで転学科を認めるわけにはいかないのです.2年間の専門教育を受けていなくても,別の学科できちんと単位が修得できることを示さなくてはなりません.そのための評価項目は,成績しかあり得ません.

 私が1989年に当時の機械制御工学科に第一希望で入学したときに,一番人気があったのは電子工学科でした.電子工学科や情報工学科に入れなくて,機械制御工学科に流れてきた友人が何人もいました.でも,彼らは転学科などすることなく,同じ専攻の大学院に進学していきました.修了した時の彼らは,紛れもなく,機械の学生でした.

 かくいう私自身も,卒研配属の直前までは,流体関係の研究室への配属しか考えていませんでした.しかし,結局は生産システムの研究室を希望することになり,当初の就職希望から,修士どころか博士課程にまで進学して学位を取得,そのまま大学の教員になってしまいました.人の道は,何が原因でどうなるか,予想できないものです.

 自分自身の体験から言わせていただければ,どんなことも突き詰めてみれば面白いということです.他学科に入学するしかなかった学生の皆さん,今は不本意かも知れませんが,不本意な気持ちのまま講義に臨んでも,よい成績は取れないと思います.ここはひとつ,前向きな気持ちで目の前の講義に集中してみましょう.おそらく,面白いことがたくさん見付かると思います.そして,2年終了時に主席になっていたら,胸を張って転学科を申請してはいかがでしょうか? しかし,主席になるほどであれば,自分の学科が大好きになっていると思いますよ(笑)

 以上の内容は,あくまで個人的な私見であり,学科の方針とは関係のないことを申し添えます.

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