2015年5月21日木曜日

栄光なき天才たち2011

 私は,「栄光なき天才たち」 という漫画を愛読しています ⇒「m-shige's log: 栄光なき天才たち「歴史の影に埋もれた、知られざる天才たちの功績に光を当てるドキュメンタリーシリーズ」 妻に言わせれば,この漫画も古典ですね.

 最初の連載は,1992年で終わっているのですが,その後も単発的に連載していることを知り,2011年に連載された 「栄光なき天才たち2011」 の単行本を2012年に入手し,これも愛読しています.ちょっと古い本ですが,感想を述べたいと思います.

 今回の主人公(?)は,「豊川順彌(とよかわ じゅんや,1886年10月 - 1965年3月7日)」 という人です.「純国産自動車・オートモ号を創った男」 私が,国立科学博物館に展示してある 「オートモ号」 の前で10分間もたたずんでしまうのは ⇒「m-shige's log: 勉強は人間の使命」,この漫画を読んだからだと思います.

「初めて国産車を作った人」 ということだけでは,この人の功績の半分も評価していないと思います.この人のすごいところは,ボディ,エンジン,シャシーはもちろん,歯車,ビス,ナット,クランクシャフト,シリンダー,その他すべての部品を製造するために,工作機械や工具などの製造も始めたことです.自身で創立した会社 「白楊社(はくようしゃ)」 は,自動車メーカーではなく,工作機械メーカーでした.単なる 「自動車」 ではなく,「自動車産業」 を創ったのです.正しく,「工業立国・日本の繁栄の礎(いしずえ)を築いた男」 といえるでしょう.

「工業立国」 と呼ばれる国であるならば,国内で生産できないものがあってはならないと思います.安い部品を海外から大量に輸入し,国内では組み上げるだけ.安いからと言って,そんなものづくりばかりしていると,そのうち,自分の創りたいものを,自分で作れない国になってしまうのではないでしょうか.手段をすべて持っているということの大切さを,この漫画は教えてくれているような気がします.

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