2015年10月3日土曜日

「(株)米谷製作所」を見る

 平成27年10月2日金曜日は,平成27年度 型技術協会 第2回 新加工技術研究委員会 で,新潟県柏崎市にある 「(株)米谷製作所」 を見学しました.

(株)米谷製作所は,解析,設計・製作・試作加工まで一貫してやれる鋳造型メーカーです.ダイカスト,LP,GDC,シェル・コールド等,鋳造に関するあらゆる設備を有し,解析から試作加工まで一貫したものづくりをサポートしています.自動車用エンジン鋳造型の製作では,製品設計の段階において,型製作や造形時の問題をフロントローディングし,金型の完成度向上を図る目的で,流動,凝固,熱伝導,熱応力,強度,粒子流動といった各種解析に積極的に取り組んでいます.
 社長の米谷強さんとは,SNSで交流している間柄,今回の見学も,Facebookでのやりとりをきっかけに実現したものでした.

 13時40分頃から始まった委員会では,まず,米谷社長による柏崎と会社の紹介からスタート.柏崎と言えば,「柏崎刈羽原子力発電所」 を思い浮かべる人が多いと思いますが,ここは製油発祥の地(明治32年)でもあるのですね.
 会社は,1934年(昭和9年)設立からの第1期,1963年(昭和36年)金型製作開始からの第2期,1974年(昭和49年)NC加工開始からの第3期などを経て,3次元CAD/CAMの導入を積極的に進めて完全3D設計を実現するなど,業務の情報自動化に力を入れてきたとのこと.特に,流動・凝固,熱伝導,熱応力,強度,中子砂充填などの各解析技術を総合的に扱えることは,この会社の大きな強みであると感じました.

 14時30分からは工場を見学させていただきました.これまでに,小さなダイカスト部品を生産している工場は見学したことがありましたが,やはり,自動車エンジンの金型は大きいですね.それに,難度も非常に高い.Competitorが少ないというのも,うなずけます.特に,型彫り放電加工を多用していたことが印象的でした.ダイカスト金型は,私の専門の5軸制御加工との相性は悪くないので,これから色々と情報交換できるとよいと思います.

 工場見学後に総括.課題は,①生産性向上⇒正味率の最大化と②同化.今後も金型にリソースを集中.鋳造技術の革新に寄与する画期的な金型作り.そして,金型はモノ作りの「米」.やっぱり,技術が第一ですよね.

 最後に,今年から委員となった日本エリコンバルザースの方から,「最新のPVDコーティング技術 -S3pテクノロジーとBALIQコーティングの紹介-」 という題目で話題提供していただきました.コーティングは地味な印象がありますが,現在のあらゆる工具にとって,欠かすことのできない加工技術です.金型も工具ですからね.コーティング技術の動向について大いに勉強させていただきました.今後の金型の講義に生かせると思います.

 委員会後,柏崎駅前のホテルにチェックインし,18時から田中角栄御用達の割烹料亭で技術交流会となりました.前菜から最後のお新香まで素晴らしい料理を,新潟の銘酒で堪能しました.

前菜から違う
10年ものの秘蔵酒
柏崎の地酒
久保田 三十周年記念酒
紫雲 大洋盛 の限定醸造
のどくろ,最高
 二次会のカラオケまでお付き合いして,ちょっと,飲み過ぎました.横っ腹が痛い… やっぱり,二次会は鬼門だなあ… 楽しさに負けて調子に乗らないよう,気をつけないといけませんね.

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