2009年3月22日日曜日

平泉旅行(2)

 昨日の平泉旅行です.朝までぐっすり眠ることができました.最近は朝が早かったり,夜に深酒したり,外泊したりなどが続いたので,こんなにぐっすり眠ったのはひさしぶりです.朝風呂をいただいたのち,朝食会場で食べた朝食は,うれしいけれど残念と言うか,普段の我が家の夕食の内容を超えるものでした.朝からこんなに食べたのは久しぶりです.この宿の食事は満足できるものでした.
 チェックアウト後,宿の送迎バスで9時ごろ平泉駅に到着しました.最初に柳之御所跡と無量光院跡を見学した後,お目当ての一つと考えていた高館義経堂を訪れました.ここは,15年前にきたときにその眺望のすばらしさに感嘆したところで,変わらぬ風景が見られることを楽しみにしていました.しかし,残念ながら期待は裏切られました.高館のある丘の真下に有料道路ができていたのです.15年前は田園のみが広がっていました.私が訪れた冬は一面の銀世界で,時が経つのを忘れるほどでした.その5年後ぐらいの秋にここを訪れた私の後輩も,一面の稲穂で黄金の海のようだった,と言っていました.そのような景色はもう見ることはできません.車の騒音もひどく,静寂も失われていました.
 失望感を振り払うように,観光のメインとしていた中尊寺に向かいました.金色堂を目指して杉並木の参道を登っている途中で,先ほどの道路の他に,もう一つ道路を作ろうとしている様子が見えました.車や工事の騒音も聞こえました.15年前は本当に静かなところで,こんなところに多くの国宝級の史跡があることが奇跡に思えました.私は地元の人間ではないので,とやかく言う資格はありませんが,このような開発が,世界遺産登録を目指している平泉にとって,よい方向進めるものとはとても思えません.宝物館は新しくなって,見学しやすいものになっていました.金色堂は15年前と変わらずすばらしいもので,沈んでいた私の心を安んじてくれました.
 中尊寺をあとにして,毛越寺まで歩きました.15年前は午後から天候が悪化して,毛越寺はゆっくり見ることができなかったのですが,この日はじっくり見学できました.この寺を見学して思ったのは,どんなにすばらしいものも,世話する人がいなくなったら朽ちていくだけだ,ということです.中尊寺も毛越寺も,今はだいぶ整備されているようなので,これからもなんとか現状を保存していって欲しいと思いました.
 毛越寺をあとにし,平泉から一関にローカル線で移動し,一関でそばを食べ,15時48分発の新幹線で帰京し,家には17時半ごろ帰ってきました.
 色々と暗い話をしてきましたが,旅行自体は楽しめました.本当です.私にとって,旅行は,旅行中よりも,帰ってからよかったと思えるものです.しばらく平泉に行く気にはなりませんが,機会があったら15年後ぐらいに再訪できればと思います.

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