2009年9月3日木曜日

ものづくり敗戦

という本を,先々週ぐらいに読み終えていました.『「匠の呪縛」が日本を衰退させる』という副題から,ショッキングな内容を期待して読み始めました.
 最初の章は,世界の技術が現在のレベルになるまでに,多くの学問の成果が絡み合ってきたことが体系的に解説されていました.この章は,もう一度復習しようと思っています.
 後ろの章は,日本の技術の問題点について書かれていました.日本の技術の弱点は,ソフトウェアとシステム化ということでした.これは,日頃私が考えていることと同じ主張です.日本はハードウェアのレベルは非常に高いですが,ソフトウェア・サービス産業が決定的に弱いため,ハードウェアと組み合わせた独自のシステムを提案することができていません.そのため,ハードウェアそのものはダントツの品質なのに,システムとしての総合力で遅れを取っているという状態になっているのではないでしょうか.
 最近よく耳にすることですが,「ものづくり」は「ことづくり」へ移行することが必然となりつつあります.「ことづくり」=「価値づくり」.ものを作ってから考えるのではなく,目的(こと)を考えてからものを作る,ということです.
 少し偏った主張をしているかもしれないですが,読んだことは無駄ではないだろう,と言える本でした.

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