2010年3月8日月曜日

「学習」と「科学」

 学研の「学習」と「科学」が今月で廃刊になるということを昨年末に知りました.とても残念です.私は,小学校低学年から6年まで,両方とも購読させてもらいました.もう30年も前の話なので,覚えていることはそれほど多くありませんが,いくつか思い出を書こうと思います.
 「学習」は,国語と社会の雑誌.国語寄り.いつの間にか「学習」は季刊になっていたんですね.一番楽しく読んだのは,夏休み特集号でした.妖怪の短編集の挿絵がすごく怖くて,夜,眠れなくりました.アレクサンドロ・デュマのモンテクリスト伯を初めて読んだのも「学習」の特集号でした.最近になって,やっと原作を全て読みましたが,小学生でも楽しめるように,ずいぶん編集していたことがわかりました.自慢ではありませんが,私は「学習」の夏休み作文コンクールに応募して,佳作をいただいたことがあります.全国的なコンクールで初めて賞をもらい,誌面に名前も掲載されて,とてもうれしかったことを思い出します.
 「科学」は,数学と理科の雑誌.理科寄り.「科学」はなんといっても「ふろく」です.夏ごろのふろくで,水の入った容器を高く上げて,ボールを噴水で持ち上げるようなものがありました.遊びすぎて,その月の水道料が跳ね上がり,親に大目玉を食らったことを思い出します.「探偵セット」みたいなもののときは,家中の指紋を採取しようとして,家中を粉だらけにしてしまい,親に大目玉を食らったことを思い出します.カブトガニ飼育セットなんてものもありました.高校のときに等差数列の和の公式が出てきたときは「そんなものは,小学生のときに科学で読んで知ってるぞ」と優越感に浸っていました.
 「学習」がなかったら,私は本を読む楽しみを知ることもなく,こんなブログを書こうと思うほど文章を書くことが好きになったとは思えません.「科学」がなかったら,私は今の職業についていません.
 子供は,自分の苗床に蒔いてもらった種を取捨選択し,自分自身として育てていくと思うのですが,極めて良質な種が消えてしまいました.

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