2010年12月6日月曜日

日本のCAMの未来

 今日の夕方,あるソフトウェアベンダーを取材するために恵比寿に行って来ました.取材対象は,このベンダーの主力3次元CAMの5軸制御加工機能です.実は来月,「5軸制御加工用CAMの最新動向」という題目で突然講演することになりました.先月開催されたJIMTOF2010でしっかり勉強しておけばよかったのですが,会期中は子供向け企画展示への対応で手一杯で,見学する時間がほとんどありませんでした.完全に勉強不足の状態です.そこで,各CAMベンダーの主力製品の動向について取材しようということになったわけです.
 今日取材したベンダーのCAMは,こだわりのある切削点の置き方に定評があります.3軸制御加工まではこの特徴を十分活かしてきましたが,今は5軸制御加工の工具姿勢の制御に苦労されているようです.しかし,これから国産のCAMとして海外製のものと差別化を図っていくためにも,こだわりのある工具姿勢制御手法を開発して欲しいと思っております.
 取材後,行きつけの炉ばた焼の店で懇親会となりました.その中で,中国で大量生産されているAppleのiPhone4が話題になったのですが,その原価が一台850円と聞いて,大変なショックを受けました.iPhoneの筐体は「ユニボディ」と言って,一つ一つ小型マシニングセンタで削り出しています.この筐体の加工だけでも,日本だったら数千円ぐらい取られるハズです.私が愛用しているiPadは,1,500円ぐらいになるのでしょうか?手の震えが止まりません.大量生産で東南アジア諸国と張り合うことが,いかに無意味であるか痛感しました.

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