2011年3月3日木曜日

台北にて(2.TIMTOS)

 台北に来て二日目の2011年3月3日木曜日は,台北國際工具機展覽會を見学しました.会場の世界貿易中心に到着したのは会場時間である10時の直前でした.日本のJIMTOFのように,Regstrationが混雑していることを覚悟していたのですが,並んでいたのは1列20人ぐらいでした.JIMTOFでは考えられないことです.早速,会場を見て回りましたが,工具やツーリング,部品の展示ばかりでした.確かに出展数は多いと感じましたが,客はまばらで,噂に聴いていたTIMTOSもこんなものなのかな?と思いながら見学していたところ,独OPENMIND社のブースで,「工作機械を見に来たのなら南港展覧館に行った方がいいですよ」と言われて,初めて会場が二つに分かれていることを知りました.早速,無料のシャトルバスに乗って,正午前に南港展覧館に到着しました.
 見学を開始して,すぐにメイン会場はこちらの南港展覧館だということが分かりました.JIMTOFに例えてみれば,東地区6ホールは南港展覧館と言えば分かりやすいかと思います.会場の広さも出展数も,JIMTOFと比較して遜色はないと思いました.見学者も多く,大変な盛会でした.危うく,世界貿易中心だけを見てTIMTOS見学を終えてしまうところでした.
 見学してまず感じたこのは,「台湾の工作機械メーカーは,こんなにたくさんあるのか!」JIMTOFの出展は,日本のメーカーがほとんどでしたが,それと同様に,TIMTOSの出展は台湾のメーカーの数が圧倒的でした.
 そして,各工作機械メーカーが使用しているNC装置は多様化していました.JIMTOFで見られるNC装置は,日本のF社のものがほとんどです.TIMTOSでも,日本製のNC装置を採用している工作機械はたくさんありました.日本のM社のNC装置は,日本よりも多く使われているのではないでしょうか.しかし,私がよく話題にするドイツのH社やS社のものはもちろん,アメリカやスペインのNCを使っている機械も多く見られました.各メーカーとも,数多くのNC装置の中から,開発した工作機械の目的や仕様を考慮して,適切なものを自由に選択しているようです.特に,安価であるという点では,台湾製のNC装置がかなり普及してきていることがわかりました.
 次に感じたことは,台湾の工作機械産業では,部品の共通化が進んでいるということです.最初は,「なんだか,似たような機械がたくさんあるなぁ」と思いながら見学していました.カバーなどの外見は,日本やドイツの工作機械にそっくりなものがたくさん見られました.そのうち,主軸頭やテーブルの形がまったく同じ機械があることに気が付きました.会場で聞いた話では,主軸,主軸頭,テーブル,カバーなど,台湾には工作機械の部品を作る会社がたくさんあって,各工作機械メーカーは,それらの部品メーカーから部品を購入して組み上げているそうです.これでは,安く作れて当然です.各メーカーの特徴というものは見えにくくなりますが,今はとにかく安くたくさん作ることに集中しているというところでしょうか.
 5軸制御マシニングセンタを出展している台湾のメーカーもたくさんありました.独創的で興味深い機械もありましたが,ほとんどがNC円テーブルにより回転2軸を付加して5軸にしたような構成が多く,最近のドイツや日本のメーカーの5軸専用機と比較して,性能も今ひとつのようでした.位置決め精度0.002mm&繰り返し精度0.003mmでは,まだまだ精度的には力不足です.NC装置はドイツ製のものを使っている機械が多かったので,問題は機械構造そのものにあると思われます.しかし,このレベルでも国際的な展示会に出してくる積極性には,大変感銘を受けました.値段はずいぶん安く設定されているようなので,量産向けを狙っているのかもしれません.安価な5軸制御マシニングセンタが普及するなんて,なんと恐ろしいことでしょう.
 夜は,知り合いの人達と一緒に,台北で一番有名な夜市だという「士林観光夜市」に行きました.私の目標は「牛肉麺」でした.「台湾に行ったら食べた方がよい」と,色々な人から勧められていました.夜市の近くにあった屋台でビールと一緒に食べることができましたが,これは確かに名物というべき食べ物ですね.特に,よく煮込んだ牛肉が柔らかくて美味でした.夜市で食べた焼きビーフン(30TWD)や鶏肉飯(20TWD)もよかった.台湾料理,なかなかいけます.

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