2011年10月31日月曜日

型技術者会議2012 第1回実行委員会

に出席するために,今日の午後は芝浦工業大学の芝浦キャンパスに行って来ました.私は長い間,この実行委員会の幹事を務めてきましたが,今回は副実行委員長を拝命いたしました.しかし,幹事の時のように議事録を作製する必要はありませんし,何と言っても,私が最も苦手としてきた懇親会の司会をする必要もありません.正直に申し上げて,居なくてもよいのではないかと思いますが,大会当日は研究室の学生と一緒に,会議の運営に全力で協力したいと思います.

 今回の実行委員長は,大阪大学の高谷先生です.高谷先生がまとめられた日本の製造業の現状は以下のとおりです.非常によくまとまっていると思いましたので,そのまま掲載させていただきます.

(1) グローバル化の拡大と海外生産拠点現地化の急進展
(2) 既存産業を中心にすでに始まっている開発の一部海外シフト
(3) 急速に高まりつつある「日本のものづくり空洞化」の危機感
(4) 国内での新産業への期待と停滞への焦燥感(規模,スピードともに)
(5) 失われた20年と若者が喪失した「ものづくりへの夢、憧れ」
(6) 迫られる環太平洋戦略的経済連携協定(TPP/FTA)への対応
(7) 負のスパイラル:海外シフト—空洞化—人材不足—技術力低下—海外シフト


 以上のように暗いだけの現状に対して,今回の型技術者会議2012は,『日本の技術について,日本の技術者について,「議論」するのではなく,「語り合い」そして「発想・創造」する型技術者会議』と位置づけ,テーマは以下のようになりました.

「日本の技術躍進のために。最先端型技術と人材の創出」

非常に前向きで,キャッチコピーとしても適切だと思います.事前に行われた幹事会でも,古いものに固執するよりも,新しいものを創造することをアピールしたいという方向で進めることになっていました.「対応」⇒「守り」よりも,「新造」⇒「攻め」ということです.この方針に沿って,委員の皆さんが分担して進めることになった,基調講演,特別企画,特別セッションの企画に,期待していただきたいと思います.

 今年の6月に開催された型技術者会議2011は,3月の震災後の開催ということで,集客が危ぶまれていました.結果的には,例年どおりの規模で開催することができましたが,おそらく,どの企業も苦しかったのではないでしょうか.震災に負けず,業界を盛り上げたいという気持ちから,協力してくれたのではないかと思います.しかし,前述の高谷先生の見解にもあるとおり,震災以降の状況は好転しているとは思えません.来年の6月に,今年と同じ,あるいは更に悪化している状況にあったとしても,現状に負けないという気持ちでいられるかどうか.私は,来年こそ震災に対する真価が問われるのではないかと考えています.「日本の製造業は,震災に負けなかった」とアピールできるような「型技術者会議2012」になるよう,尽力したいと思います.

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