2011年12月15日木曜日

日立建機の土浦工場を見学

 今日の午後,精密工学会 第352回講習会 「第19回最先端の研究室(工場)めぐり」に参加して,日立建機株式会社の土浦工場を見学しました.建機,大好きです.学部4年生になるまでは,コマツかキャタピラー三菱に就職したいと本気で思ってましたから.
 午前11時15分まで都内の学会の寄り合いに出席してから移動を開始しましたが,会場の最寄り駅であるJR常磐線の神立(「かんだつ」と読みます)駅まで予想以上に時間がかかり,駅からさらに20分ほど歩いて工場に到着したのは13時20分でした.
 日立建機の紹介については,今回の講習会の開催案内の文章が素晴らしいので抜粋させていただきます.
「日立建機株式会社は,世界で第3位の建機メーカーであり,特に信頼性が重要な露天掘り鉱山向け超大型ショベルではトップシェアを誇っています.また,建設・土木工事現場だけでなく,解体,砕石,鉄鋼・製鉄,林業,さらに環境リサイクルいった広い分野で活躍する製品を供給しており,最近では災害救助用の世界初の双腕ショベルや,カンボジア等で活躍している地雷処理ショベルでも有名になっています.一方,売上高の7割以上を海外が占めており,全世界を舞台に事業展開を行っています.」
 最初に,配布されたパンフレットの内容に沿って,事業内容の説明がありました.続いて,シアタールームに移動して会社紹介のビデオを見た後,「大型建設機械の機構設計実例」という題目で,85t大型油圧ショベルの開発について講演がありました.主に,ブーム,アーム,バケットなどで構成されるフロントの設計に関する説明でした.最近,自分が担当している生産システム工学の講義で,アームの部品の応力解析の動画を見せたのですが,同じような解析事例が幾つも紹介されました.日立建機でも,FEM解析はかなり昔からやっていたそうですが,当初の解析は,専用のワークステーションで数週間もかかっていたそうです.そのため,実際の解析を実施する前に梁計算を行うなどして,実行する解析を絞り込んでいたそうです.現在は,普通のPCで動く3次元CADにもFEMの機能が付いているので,気楽に解析を試すことが出来るようになりました.その反面,間違った計算が多発しているようです.解析結果を正しく評価するためには,「基礎力学の習得」と「手計算の経験」が必要で,「正解は一つではない.何を持って,この選択を正解としたのかを,如何に正確かつ簡潔に話せるかが大事」 ということでした.
 講演が終わって少し休憩した後,土木建設用油圧ショベルの組立ラインを見学しました.40t~100tの大型油圧ショベルは1日7台,40tまでの中型油圧ショベルは1日60台も生産しているそうです.溶接作業のほとんどは,120台の産業用ロボットを導入して,自動化しているとのこと.ロボットが溶接したビードを見ましたが,見事な出来栄えでした.ただ,受注した順に様々な機種が流れて来る混成ラインなので,治具を工夫するなどして作業性の向上を図ることが重要です.大型ショベルの巨大なアームを見ながら,今年の夏にお台場で見たバラバラのガンダムを思い出しました.
 見学終了後,質疑応答の時間となりました.最近の建機は,速さや精度などの運動性能よりも,燃費を重視する動きにあるそうです.これまでの建機は,何かを「壊す」機械という印象が強いですが,これからは何か「造る」仕事を支援する機械へ進化するかも知れません.ここでも「モビルスーツ」への進化を連想してしまった私,やはり,病気なのかも知れません.
 普段は見ることの出来ない大型機械の量産ラインをじっくり見学することが出来ました.大変有意義な講習会でした.企画された精密工学会 事業部会企画第3グループの皆さんに感謝いたします.

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